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星河の覇皇
第八十七部第四章 首相官邸にてその五十八

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「独り言でもな」
「だからですね」
「そうした場所では一人でないとですね」
「別に構わないですね」
「やはり密室だ」 
 そうした場所だというのだ。
「盗聴の基本はな」
「そうした場所にこそですね」
「仕掛けてきますね」
「そして職場でもですね」
「そうしてきますね」
「そしてプライベートならだ」
 アッチャラーンはさらに話した。
「風呂場やトイレはな」
「確かにですね」
「仕掛けられる可能性はありますね」
「それは事実ですね」
「やはり」
「だがどうしても一人でいる」
 そうした場所だというのだ。
「だからな」
「あまり、ですね」
「ひとり言と言っても仕事のものとは限らない」
「それで、ですね」
「仕掛けられないですね」
「仕掛けるなら夫婦の寝室やリビングだ」
 こうした場所だというのだ。
「プライベートの場所ならな」
「そこで、ですね」
「家族との会話の中で漏らす」
「そうしますね」
「キング牧師もそうだった」 
 マーチン=ルーサー=キング牧師である、アメリカの公民権運動に貢献した偉大な人物であり連合の歴史の偉人の一人ともなっている。
「彼はフーバーにマークされていた」
「社会主義への傾倒が見られ」
「そしてマークされていましたね」
「社会主義と言えばソ連で」
「ソ連との関係も考えられたので」
「マークすべき人物は全てマークした」
 それがというのだ。
「まさにだ」
「フーバーでしたね」
「それは自分の為の場合もありましたが」
「大統領の弱みを握ってそれをちらつかせ首を切らせない」
「その為にですね」
「そうだった、そしてだ」 
 アッチャラーンはさらに話した。
「キング牧師もマークしていてな」
「盗聴を仕掛けていた」
「自宅にも」
「そうでしたね」
「そして探っていましたね」
「そうしていてだ」
 その中でというのだ。
「キング牧師が細君に言った会話をだ」
「聴いてですか」
「それで、ですか」
「そのうえで、ですか」
「それが下品なものであってな」
 それでというのだ。
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