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星河の覇皇
第八十七部第四章 首相官邸にてその五十七

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「それでだ」
「相手の情報を掴んでいた」
「弱みも含めて」
「そうしていましたね」
「そうだ、そしてここは連合だ」
 謀略の多い国でというのだ。
「それでだ」
「それ故にですね」
「我々も注意することですね」
「首相官邸にいる者達も」
「左様ですね」
「誰もが私を謀略家だと知っている」
 連合の政治家や官僚の全員がというのだ。
「そして謀略はな」
「仕掛けるならですね」
「仕掛けられますね」
「そうなりますね」
「そうされるものだからな」
 先程言った様にというのだ。
「だからだ」
「警戒は怠らない」
「決して」
「そうしていきますね」
「そして謀略は案外単純なものだ」
 決して複雑なものではないというのだ。
「これはな」
「盗聴にしろそうですね」
「ただ置くだけです」
「見付からない様に」
「そうするものですね」
「そうだ、ただトイレのおばさんの話をしたが」
 アッチャラーンは笑ってこうも述べた。
「流石に用を足す音や水を流す音なぞな」
「弱みになりませんね」
「そうしたものは」
「幾ら何でも」
「こうしたことは汚いが」
 衛生の話ではというのだ。
「しかしな」
「それでもですね」
「誰もがなので」
「弱みにはならないですね」
「なる筈がない」
 それこそというのだ。
「流石にな」
「左様ですね」
「ただトイレでもですね」
「盗聴を仕掛ける場合がある」
「左様ですね」
「バスルームでもな、リラックス出来る場所だとな」
 そうした場所ではというのだ。
「人はだ」
「ついついですね」
「口が軽くなりますね」
「特に親しい人が一緒だと」
「左様ですね」
「こうした時こそな」
 まさにというのだ。
「言葉が出る」
「秘密もですね」
「ついつい出す」
「それで、ですね」
「注意が必要ですね」
「ただ一人だとな」
 その場合はというと。
「やはりな」
「そうした場所でもですね」
「喋らないですね」
「そうしたことは」
「そうなる」
 自然と、というのだ。
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