第百五十話 妖怪がいる余裕その十二
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「文句ばかり言っていた」
「そうなったな」
「天理教でお世話になって」
そうであってというのだ。
「天理教の悪口ばかり言う」
「教会の仕組みがどうとかな」
「そんなどうでもいいことばかりね」
「言ってな」
「偉そうにしていて」
「実は無作法でな」
「そんな人がね」
やはり嫌そうに話した。
「息子さんだったけれど」
「親がそうだとな」
「子供もね」
「酷くなるな」
「そんな人達よりね」
「妖怪の方がいい」
越智は言い切った。
「本当にな」
「実際お二人共嫌われていたしね」
「誰もいいことを言わない位な」
「そこまでね」
まさにというのだ。
「嫌われていたし」
「そう思うとな」
それこそというのだ。
「そんな性格にはな」
「ならないことよね」
「自分以外の生きもの皆大嫌いってな」
「普通に誰とも付き合えないからね」
「それだけ自己中でな」
そうであってというのだ。
「攻撃的なんだな」
「もうカマキリよね」
「ああ、カマキリって誰にもな」
「向かっていくわよね」
「自動車にだってな」
自分より遥かに巨大なだ。
「ファイティングポーズ取るからな」
「逃げないでね、それでね」
富美子はそうした時のカマキリのことをよく話した、春から秋に道を歩いているとよく見るものだ。
「踏み潰されるのよね」
「前を向いたまま」
「今お話している人もね」
「そんな感じだな」
「自分以外は皆大嫌いだと」
「普通に暮らしていけないな」
「しかも遊んでばかりな人らしいから」
このこともあってというのだ。
「よく生きていけたわね」
「しかもヒス持ちで執念深くて不平不満ばかりでな」
「そうした人だったから」
「何でも身内に凄くいい人がいたんだな」
「その人が受け入れていたから」
「生きていけたな」
「けれど長男さんを甘やかして」
富美子はまたこの話をした。
「それで息子さんもね」
「どうしようもない人になったな」
「そうだからね」
「生きるべき人じゃなかったな」
「本当にね」
それこそというのだ。
「そんな人もいるのね」
「しかも親子でな」
「いや、そんな人達と比べたら」
「妖怪がいいな」
「ずっとね」
「本当にそう思うな、そうした連中を何と呼ぶか」
越智は苦い顔で話した。
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