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ハッピークローバー
第百五十話 妖怪がいる余裕その十一

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「人が一歩下がったら一歩前に出る」
「そうするか」
「そして遊んでばかりでね」
「余計に悪いな」
「何かあったら延々とヒス起こす」
「そんなのだとな」
 越智はそれこそと返した。
「誰もな」
「一緒に暮らせないわね」
「学校でもな」
「実際親戚の人全員からね」
「嫌われてるんだな」
「法事とかに出ても」
 それでもというのだ。
「誰も顔向けないで声もかけない」
「徹底しているな」
「兎に角そんな人で」
 自分以外の存在を忌み嫌い攻撃的でというのだ。
「図々しくて何かあるとすぐにヒスで」
「それも延々とだな」
「執念深くてね」
「我が強いか」
「滅茶苦茶ね」
「それで揉めごとばかり起こすか」
 越智は聞いていて眉を顰めさせた。
「学校でもな」
「クラスにいたら嫌よね」
「ああ、この学園にもな」
「いられないわね」
「どうやって付き合うんだ」
 それこそというのだ。
「他の人が」
「妖怪ともね」
「一緒にいられないな」
「そうよね」
「そんな奴よりな」
「妖怪の方がずっといいわよね」
「ああ、妖怪もいい妖怪と悪い妖怪がいてな」 
 そうであってというのだ、尚妖怪の行動は書かれている本によって違ったりすることはよくあることだ。
「悪い妖怪は問題だが」
「いい妖怪だとね」
「同じ場所にいてもな」
「問題ないからね」
「そうだからな」
 それ故にというのだ。
「そんな害にしかなりそうにない奴よりはな」
「妖怪がいいわね」
「ああ、しかしそいつトミの知り合いか」
 富美子を仇名で呼びつつ尋ねた。
「そうなのか」
「あれよ、理事長さん達が信者の教会にいたどうにもならない」
「あの仕事しないで大飯喰らいで図々しくて尊大で感謝もしないか」
「そう、不平不満ばかり言う。あの人の母親よ」
「あの人か」
 越智は言われてそうかという顔になって応えた。
「あの人もな」
「有名でしょ」
「息子さんがそうでな」
「お母さんもね」
「悪い親からは悪い子供が出るってな」
「そう言われてるけれど」
「それのサンプルみたいだな」
「七十過ぎてもね」
 富美子は嫌そうに話した。
「この人そうだったらしいし」
「ヒス持ちでな」
「若い頃からで」
「ずっと変らなかったみたいだな」
「もう皆から嫌われて」
「行いが酷くてな」
「それで長男さんばかり甘やかして」
 そうしてというのだ。
「その長男さんがね」
「教会でな」
「そんなね」
 そうしたというのだ。
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