第百五十話 妖怪がいる余裕その十
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「特にな」
「怖くないわね」
「身体から魂が出れば」
そうなればというのだ。
「普通に誰でもな」
「幽霊になるわね」
「そうなるからな」
だからだというのだ。
「別にな」
「幽霊自体は怖くないわね」
「そうだ」
富美子に落ち着いた声で話した。
「妖怪も人を襲ったりしないならな」
「怖くないわね」
「人間も悪いことをするとな」
「問題だしね」
「妖怪も同じだ」
その彼等もというのだ。
「悪いことをするならな」
「問題で」
「妖怪自体はな」
「怖くないのよね」
「ぬらりひょんなんてな」
この妖怪はというと。
「時々茶道部や華道部の部室に来てな」
「メイド部にも出るそうね」
「適当にお茶飲んでな」
「帰るみたいね」
「妖怪の顔役さんの一人らしいけれどな」
それでもというのだ。
「やっぱりな」
「悪いことしないし」
「お茶飲んで帰る位ならな」
それならというのだ。
「全くな」
「問題ないわね」
「そうだ」
それこそというのだ。
「人畜無害だ」
「お茶代がちょっとかかる位ね」
「いや、お湯を少しな」
お茶を淹れる時に使うというのだ。
「使われる位でな」
「何でもないわね」
「ぬらりひょんが来てもな」
「そうよね」
「そんなのだからな」
「大抵の妖怪は」
「それならな」
これといってというのだ。
「怖がることはない、むしろいてくれた方がな」
「いいわね」
「そう思わないな」
「思ってるわ」
これが富美子の返事だった。
「やっぱりね」
「人間だけだとな」
「寂しいわよ」
「他に色々な生きものもいてな」
「妖怪もいてくれたら」
「賑やかでな」
「楽しいわ」
そうだというのだ。
「本当に」
「そうだな」
「世の中変な人もいて」
それでというのだ。
「自分以外の生きものは皆大嫌い」
「自分だけでだな」
「それでやたらね」
こう言っていいまでにというのだ。
「攻撃的でお家の中に敵がいないと」
「やっていけないか」
「もう常にね」
それこそというのだ。
「家で揉めごとを起こす」
「一緒に住めないな」
「そうした人いるけれどね」
「妖怪も嫌いだな」
「だから自分以外はね」
「大嫌いか」
「我ばかりで」
そうであってというのだ。
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