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ハッピークローバー
第百五十話 妖怪がいる余裕その九

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「見えなくなるな」
「そうよね」
「そうだな、しかしな」
 越智は微笑みになった、そのうえで富美子にこんなことを言った。
「妖怪がいてもいいな」
「人間以外にね」
「色々な生きものがいてな」
「妖怪もいるとね」
「いいな、この学園は動物園も水族館もあってな」
「色々な生きものがいてね」
「生きものの飼育もな」 
 これもというのだ。
「学校やクラスでしているしな」
「鶏とか兎とかね」
「お魚とかな」
「生物部はね」
 富美子は子の部活の話をした。
「芋虫育ててるのよ」
「そうらしいな」
「それでその芋虫がね」
「蝶々になるな」
「そうなのよね」
「古典でもあったな」
 とわすがたりの虫めでる姫君の話である、続きがある様であるが今は実際にあるかどうか不明である。
「そんな話が」
「そうよね」
「芋虫は気持ち悪いと言われるけれどな」
「女の子でそう言う娘いるわね」
「けれどな」
「その芋虫がね」
 気持ち悪いと言われる彼等がというのだ。
「成長したらね」
「奇麗な蝶々になるからな」
「面白いわよね」
「そんな虫も学校には多いしな」
「それで蛙とか蜥蜴とか鳥もいて」
「農学部は牧場とか厩まであってな」
 大学のというのだ。
「犬や猫もいて」
「賑やかよね」
「そこにな」
 さらにというのだ。
「妖怪もいてな」
「余計に賑やかよね」
「妖怪がいるとな」 
「尚更いいわね」
「むしろ妖怪がいないとな」
 そうであるならというのだ。
「寂しいな」
「その分ね」
「妖怪がいられるだけ余裕があってな」
「賑やかな方がいいわね」
「怖いのは怨霊だ」
 この存在だというのだ。
「あくまでな」
「怨霊は物凄い力持ってるのよね」
「天神様なんてな」
 菅原道真である、大宰府に流されその怨念で怨霊となったと言われていることは日本の歴史でも有名なことである。
「物凄いし名前を出すだけでな」
「危ない怨霊もいるわね」
「京都なんかな」
 この街はというと。
「元々な」
「怨霊を恐れて遷都してね」
「何重にも結界を張っていたしな」
「そうだったわね」
「そこまでな」 
 それこそというのだ。
「怨霊は怖い、だからな」
「怖いのは怨霊で」
「妖怪はな」
 この存在はというのだ。
「怖くない、あとな」
「あと?」
「普通の幽霊もな」
 こう呼ばれている存在もというのだ。
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