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ハッピークローバー
第百五十話 妖怪がいる余裕その八

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「この学園にもいるな」
「それで子供は見えても」
「大人は見えない」
「そうなのよね」
「小六辺りから見えなくなったな」
「四年位まではっきり見えたのに」
「ああしたものだってな」
 越智は真顔で話した。
「聞いていたけれどな」
「思ったわね」
「何でも身体が大人になるとな」
 そうなればというのだ。
「見えなくなるみたいだな」
「それまでは見えていても」
「それがな」
 身体は成長すると、というのだ。
「見えなくなるんだ」
「座敷童は」
「心が子供のまま、童心か」
「それを持っていても見えなくなるのね」
「身体だな」
「まあ皆大体ね」
 富美子は座敷童について書かれた壁新聞形式の文章を読みつつ越智に話した。
「五年か六年でね」
「身体が大人になるか」
「だからね」
「見えなくなるんだな」
「高学年になるとね」
 同じ小学生でもというのだ。
「そうなるのかしらね」
「不思議な話だな」
「本当にね、ただね」
「それでもか」
「子供にはちゃんと見えていて」 
 座敷童はというのだ。
「大人でも数えるとね」
「一人多いな」
「座敷童がいる分ね」
「見えなくてもな」
「確かにいるのよ」
「そうだな」
「それで子供達には見えている」
 身体がそうである彼等にはというのだ。
「このことがね」
「本当に不思議だな」
「ええ、ただね」
 富美子はこうも言った。
「まさか私達が見えなくなるなんてね」
「思わなかったな」
「ずっと見えるってね」 
 その様にというのだ。
「思っていたのが」
「それがな」
「高学年になったら」
「六年の頃にはな」
「見えなくなっているから」
「低学年の子達に聞くと見えていてな」
「それで私達にはね」
 高学年になればというのだ。
「これがね」
「見えなくてな」
「驚いたわ」
「実際にそうなるからな」
「この学園にずっと通っていたら」
「わかるな」
「幼稚園の頃でもね」
 この頃でもというのだ。
「見えてるしね」
「ああ、あの頃も見えていたな」
「そうだったけれど」
「本当に六年になるとな」
 小学生のというのだ。
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