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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
XV編
第230話:獅子の目覚め
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がら動き出す。
「ミカッ!」
「分かってるゾッ!」
多くの言葉が無くとも、ミカはガリィの意図をすぐさま理解し手の平から射出したカーボンロッドで扉を破壊するとキャロルを抱えたガリィ共々部屋から逃げていく。
「えぇい、逃がすなッ!」
それを黙って見送るベルゼバブではなく、逃げていくキャロル達を追おうと新たに剣を取り出して破壊された扉へと向かおうとした。だがその前に、ファラとレイアの2体が立ち塞がる。
「お前は地味にここに居てもらう」
「私たちのマスターを、これ以上傷付けさせはしませんわ」
決死の覚悟を感じさせるファラ達の声。それを聞いて、まだ完全に記憶が戻りきっていないながらもキャロルは彼女達に反射的に言葉を投げかけていた。
「レイア、ファラ…………死ぬなッ!」
「「ッ!」」
何を意図してそんな言葉が出たのか、キャロル自身理解できていなかった。正直に言って、今のキャロルにとって自分を守ろうとするオートスコアラー達は何となく知っている他人に近い存在でしかなかった。何故自分が彼女達の事を知っているのかも、彼女達が自分の事をマスターと呼ぶ理由も分からない。それでも、彼女の心はその言葉を反射的に口にしてしまっていた。
「俺はまだ、お前達の事を全然思い出せていないんだッ! だから、そんな俺の為に、簡単に死んだりするんじゃないッ!」
ハンス以外の事、父の事などを思い出していき、徐々にキャロルの中の世界が広がっていった。世界が広がると、目に見える景色も何だか違って見えるようになってきた。するとキャロルは、もっと自分の中の世界を広げたくなっていったのだ。世界を識りたくなったのだ。
キャロルはまだ気付いていない。それが今は亡き、彼女の父が託した本当の命題である事を。復讐や憎しみから解放され、人を愛する事、人に愛される事を思い出したからこそ気付く事が出来た父の命題の意味。
その命題の為、キャロルは自分の知る者の死を許す訳にはいかなかった。
その言葉を置いて、キャロルはガリィに抱えられて部屋から出ていく。その後をメイジ達が追っていくのを、ミカが邪魔しながら後を追った。
「チッ、逃がすかっ!」
ベルゼバブもその後を追おうとするが、それはレイアとファラが許さない。2体のオートスコアラーは並び立つと、武器を構えてベルゼバブの前に立ち塞がった。
「困ってしまいましたわね。本当ならこの体、マスターの為に砕かれるのも覚悟していたのですけれど」
「あの様に命じられてしまっては、地味にそうも言っていられないな」
「何をゴチャゴチャとッ!」
そのままレイアとファラはベルゼバブと戦い始めた。しかし通常のメイジであればともかく、相手は幹部クラスのしかもファントム。対してレイア達は
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