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霧の向こうのハーレム
ハーレム建設
主人神社
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 この島の人にとって最も神聖な場所の1つであるこの主人神社。
 周りを深い空堀がめぐり、高い板壁がそそり立つ。入り口には立派な赤い鳥居が立つ。

「神聖な場所なんだから変なことしないでよね。追い出すから。」
「するか。」

 堀に架かる橋を渡り、赤い鳥居をくぐればそこには静謐(せいひつ)な空気が漂っていた。
 とてもこんな空気の中で変なことなんてできないと本能的に理解できる。身の毛がよだつというかなんというか。
 とにかく、

「すごい・・・。」
「何か言った?」
「いや・・・。」
「・・・?」

 すでに両側にいた少女たちも俺を開放していたため俺のつぶやきは聞こえなかったようだ。
 入り口付近にあるはずの手水舎はなく、すぐに他の家とそう変わらない大きさの拝殿が入ってすぐあるだけ。賽銭箱のようなものもない。

「上がって。」

 拝殿脇の小屋から4枚の藁座布団を持って出てきた理沙に促され拝殿にのぼり、彼女が無造作に敷いた藁座布団に座る。
 そして俺の両脇を固める形で鈴音とアヤメが座る。状況が状況だが両手に花だ。

「奥の門、見える?」
「ああ。」

 理沙の指差す先には朱色に塗られた門があった。差し詰め本殿といったところか。

「あそこに主人様がいるの。私たちを守ってくれるの。」
「守ってくれるばかりかわたくしたちに恵みを与えてくれますの。」
「主人様はこの島ができたころからいらっしゃるの。本当の名前は島造主人尊(しまつくりぬしひとのみこと)って言うの。」

 理沙はこちらに背を向けながら話す。何か作業をしているようだ。

「理沙、準備はできました?」

 緊張して気が付かなかったが俺たちの後ろに2人立っていた。後から聞いたのだがこの2人は理沙のお母さんと伯母さんらしい。

「できたわ。姿勢を正して。」

 理沙の口調が先程までのトゲトゲしたものではなく、実に真剣み帯びた。
 両隣が居住まいをただしたのであわてて俺も正す。

「では大谷遼さんの入村をご報告しましょう。」
「遼さん、こちらへ。」

 伯母さんに促され拝殿の中央に行く。

「これを。」

 理沙からなにかの葉っぱを渡される。民俗学を少しだけ触ったことがあったためこれを俺は榊の枝とだと思ったが、葉っぱの感じが榊ではなく柊に似ている。神様に供える木と言えば榊のはずだが。
 ついでに言えば理沙が少し照れたように見えた。






 あの後神前の儀式みたいなものを行った。何があったかは省くが。
 なんでって祝詞何て俺には理解できないし、すぐ終わってんだもん。

「では遼さま、良い一日を。」

 アヤメは村長の言いつけどおり俺たちとお参りを済ませると村の外に歩いて行った。曰く薬草
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