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新オズのかかし
第十幕その二

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「だからね」
「それでよね」
「僕はこう思うよ」
「その通りね、オズの国はお伽の国で」
「素晴らしい国だけれど」
「外の世界もね」
 ドロシーはジャックにも言いました。
「素晴らしいわね」
「心から思うよ」
「そうね、それじゃあね」
「うん、今からね」
「ジャックもね」
「あの人と会って楽しい思いをするよ」
「心がうきうきしているよ」
 臆病ライオンも言ってきました。
「僕だってね」
「素敵な人だから」
「お会い出来ると思うだけでね」
「そうなるわね」
「よく頑張れたよ」
 臆病ライオンは心から言いました。
「ずっとね」
「最後の最後までね」
「僕にはとても無理だよ」
「私もよ」
「けれどあれだけの苦難を乗り越えて」
「それでだから」
「本当に素晴らしい人だよ」
 まさにというのです。
「そう思うしかないよ」
「全くよね」
 こうしたお話をしてでした。
 ヘリコプターは黄色い煉瓦の先にあるアメリカの古い感じのお家の前に着陸しました、古くて上品な感じのお家です。
 そのお家に着くとです、白い十九世紀後半のジョー達が着ていたみたいなアメリカの女性の服を着た整ったお顔立ちの優しい雰囲気の若い女性と濃紺の同じアメリカの女性の服を着た眼鏡をかけた知的な感じの女性が迎えてくれました。
 その女性を前にしてです、ナターシャはおずおずとした態度で尋ねました。
「貴女がヘレン=ケラーさんですね」
「そうよ」
 女性はとても優しい笑顔で答えました。
「私がヘレン=ケラーよ」
「そう、ですね」
「ええ、貴方達がオズの国の名誉市民の子達ね」
「そうです」
 まさにと答えたのでした。
「私達が」
「そうね、ようこそ我が家に」
 ヘレンさんは笑顔で答えました。
「お迎えさせてもらうわ」
「宜しくお願いします」
「ヘレン=ケラーさんにお会い出来るなんて」 
 ジョージは感動を抑えられない様子でした。
「夢みたいだよ」
「全くだよ」
 神宝も感動を抑えられない感じです。
「本当にね」
「オズの国にヘレン=ケラーさんがおられるなんて」
 カルロスは感動のあまり泣きそうになっています。
「どれだけ素晴らしいか」
「そしてお会い出来るなんて」
 まさにと言う恵梨香でした。
「オズの国に来られてよかったです」
「大袈裟よ、私は何も偉くも素晴らしくもないのよ」
 ヘレンさんは感動する五人に微笑んで答えました。
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