第三十八話 手紙を受け取りその十一
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「まさにな」
「そうよね」
「だからだ」
その為にというのだ。
「そうした奴の本もな」
「読まないわね」
「一瞥もしない」
「そうよね、出来るやれるって思わないと」
鬼頭も言うことだった、腕を組んで話す。
「全くね」
「何も出来ないな」
「漫画だってね」
これもというのだ。
「そんな考えだと描いてもね」
「面白くなるか」
「絶対にならないわよ」
それこそというのだ。
「何があってもね」
「その通りだな」
「それで面白くなるって思ったら」
そんな考えで書いた本がというのだ。
「ずれてるわよ」
「そうだな」
「だからね」
それでというのだ。
「私もね」
「そんな考えはないな」
「ある筈ないでしょ」
鬼頭は忌々し気に答えた。
「出来ない、無理だばかり描いてもね」
「面白き筈がない」
「もう人気がなくて」
そうでありというのだ。
「打ち切りよ」
「そうなるな」
「前向きでね」
「不可能と思われてもな」
「なしてこそよ」
そうであってこそというのだ。
「本当にね」
「面白いな」
「その通りだ」
ソノザも応えた。
「俺もだ」
「そんな漫画読みたくないわね」
「未来を描くならな」
それならというのだ。
「現代の技術であれこれ言ってもだ」
「わからないしね」
「それで出来ない無理なぞだ」
そう言ってもというのだ。
「わからない、また夢も何もなくな」
「つまらないわね」
「そして否定してもだ」
現代の技術でというのだ。
「技術は進歩する」
「その進歩を描くならね」
「面白いが」
しかしというのだ。
「それでもな」
「否定してばかりだとね」
「何になる、そしてこれ以上はないまでにだ」
「今私達が話してる通りに」
「つまらない」
ソノザは一言で言った。
「そしてあっさりとその否定はだ」
「覆されるわね」
「そいつが否定して一人得意になっている間にだ」
まさにその間にというのだ。
「世の中はな」
「進歩してね」
「その否定こそだ」
「否定されるわね」
「そうなる、それにだ」
ソノザはさらに言った。
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