第三十八話 手紙を受け取りその十
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「無駄なことだ」
「出来る、やれるって思ってやる人こそがね」
「何かと出来てな」
「そんな人はね」
「何も出来なくてな」
そうであってというのだ。
「ただ一人得意になってだ」
「生きているだけね」
「あれこれ言っているつもりでな」
「そんな下らない人生ね」
「まさにな」
「そんなことは組織の連中もしない」
ナーガが言って来た。
「どの組織でもやろう、出来るとな」
「そう、思ってね」
キャンデリラが言ってきた。
「私達だってね」
「やっていた」
「そうだったわ」
「俺達なりに考えてな」
「努力していたよ」
ドゴルゴとアイガロンも言ってきた。
「どうしたら出来る、やれるとか」
「必死にな」
「今は無理でもね」
「先はわからないってな」
「未来のことなんて誰にもわからないしね」
ラッキューロはこんなことを言った。
「だからたまにでも頑張らないとね」
「たまなのは兎も角としまして」
百地はラッキューロの怠け癖についてはどうかと思いつつ話した。
「前向きであることは重要です」
「そうよね」
「ノーチラスも実現しましたし」
百地もまたこの潜水艦の話をした、速見にそうした。
「他の無理だと思われたこともです」
「出来る様になっているしね」
「漫画やアニメの道具やロボットも」
「実現出来るわよね」
「そうなります、まことにです」
百地は咎める顔と声で話した。
「空想だ何だのと言っても」
「とんでもなく下らないわね」
「誰かの何かの役になぞ全く立たず」
「読んでも面白くないわね」
「この世で最も下らない本の一つにです」
まさにそれにというのだ。
「なるのがです」
「関の山ね」
「はい」
そうだというのだ。
「そうならない筈がありません」
「そうよね」
「無理だ出来ないばかり言っていては」
「何にもならないし」
「それではです」
まさにというのだ。
「これ以上はないまでにです」
「詰まらなくなるわね」
「読んで得られるものもです」
「ないわね」
「何一つ」
「本当に無駄ね」
「全くだ、ここにはそんな奴は一人もいない」
桃井は強い声で言い切った。
「だからだ」
「いいのよね」
「そうだ、無理だ出来ないだと言っているとだ」
早見に応えて言った。
「前に進むことなぞだ」
「出来ないわね」
「俺はそんな考えはない」
淀みない言葉だった。
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