第四章
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「そのうえでか」
「はい、普段はお店の服ですが」
「今日はクリスマスですから」
「この服です」
「サンタクロースです」
「ミニスカートか、しかしな」
それでもというのだった。
「ハンナの言った通りだな」
「誰ですか、その人」
店員の一人、やはりミニスカートのサンタの服の彼女が聞いてきた。
「ハンナさんっていうのは」
「わしの曾孫の一人だ」
サンタはすぐに答えた。
「フィンランドにいる」
「そうですか」
「うむ、いつもミニスカートでな」
「サンタさんのお仕事をする時もか」
「そうだ」
まさにというのだ。
「そうしている」
「フィンランドでもそうなんですね」
「ミニスカートのサンタなんてな」
それこそというのだ。
「他にいるものかと思ったが」
「日本じゃ普通ですよ」
「そうなのか」
「この通りです」
まさにというのだ。
「そうですよ」
「そんな国があるとはな」
「他の国もそうじゃないですか?」
「そうなのか?」
「そうだと思いますよ」
その少女は笑顔で言った、そして実際にだった。
世界を巡ってみると結構そうしたサンタはいた、それで彼は曾孫に対して家に帰った時に言ったのだった。
「お前の言う通りだった」
「そうでしょ」
「ミニスカートのサンタも多いな」
「いかした格好でしょ」
「そうは思わないが」
今もミニスカートの曾孫に答えた。
「しかしな」
「それでも普通でしょ」
「そうだな、これまではな」
サンタは自分のことも話した。
「思えばアフリカを巡っていてな」
「あそこでサンタさんはね」
「まあ普通の服だからな」
「そうよね」
「しかし日本みたいな国だとか」
「普通にね」
ハンナは明るく答えた。
「女の子ならね」
「ミニスカートか」
「あたしみたいにね」
ミニスカートに黒のガーターストッキング姿で言った、ニットのセーターからは大きな胸の形ががはっきりと出ている。
「そうなのよ」
「そうなんだな」
「そう、そしてね」
そのうえでというのだ。
「お仕事してるのよ」
「世の中変わったものだ」
「結構昔からそうじゃない?」
「ミニスカートのサンタはいるのか」
「そうでしょ」
「わしも知らなかったことだ」
「けれど知ったわね」
曾祖父に笑顔で言った。
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