第二章
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「サンタは常に奥さん一筋だ」
「そうなの」
「そうだ、家族を大事にするものでな」
そうであってというのだ。
「何よりも子供達にだ」
「クリスマスにプレゼントを贈るのよね」
「普段は幸せをあげてな」
そうしてというのだ。
「そうするものだからな」
「浮気はしないわね」
「まして奥さん以外の家族がどんな格好でもな」
それでもというのだ。
「絶対にだ」
「欲情しないのね」
「ましてサンタといえば爺さんだな」
「お爺さんならね」
「歳を取ると欲が減っていくものだ」
そうなるからだというのだ。
「尚更だ」
「あたしがどんな格好してもなの」
「何も思わない」
そうだというのだ。
「だから安心しろ」
「そうなのね」
「そうだ、まあ兎に角クリスマスはな」
「頑張るわ、バイト代弾んでね」
「働いてもらうからな」
金の話もしてだった、ハンナはクリスマスに曾祖父を手伝って自分も世界中の子供達にプレゼントを配ることにした。
そしていよいよ橇に乗って世界中を巡ることになったが。
「やっぱりその恰好か」
「似合うでしょ」
曾祖父に赤と白のミニスカサンタ姿で言った、網タイツが目立つ。
「これで」
「その恰好で子供達の前に出るんだな」
「そうよ」
「全く、そのファッションはな」
どうしてもというのだった。
「やはりな」
「どうかっていうのね」
「そうだ、だがちゃんと仕事はしてくれるな」
「あたし仕事は真面目でしょ」
「職場でもそうだな」
「そうよ、ただオフィスでもね」
即ち仕事の時もというのだ。
「ミニスカートだから」
「そこは変わらないか」
「タイトのね」
「上も露出高いか」
「ブラウスの胸元開けてね」
「やれやれだ、だが今日は頼むぞ」
「行って来るわね」
曾祖父に笑顔で言ってトナカイ達が曳く橇に乗った、そうして世界の子供達にプレゼントを配るのだが。
ある子供はハンナが家に来てだ、仰天した。
「ミニスカート!?」
「そうよ」
その子供に笑顔で答えた。
「あたしはね」
「若い女の人出ミニスカートのサンタさんなんて」
「驚いた?」
「うん、かなり」
「これ位普通でしょ」
「普通じゃないよ」
その子供ははっきりと言い返した。
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