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大阪の呼ぶ子
第四章

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「そしてな」
「そのうえでなのね」
「歌って飲んで食うんだな」
「一つ目小僧達とな、そろそろ行くからな」 
 そのカラオケにというのだ。
「またな」
「ええ、それじゃあね」
「また会おうな」
 別れの言葉を交えさせるとだった。
 呼ぶ子の木の下半身は実際に二本の足になった、しかも服は瞬時に現代風のジャケットとジーンズそれにシューズになった。頭にはキャップ帽がある。
「ドジャースだな」
「大谷選手のチームね」
 二人はそのキャップ帽を見て話した。
「妖怪なのに流行に敏感ね」
「そうだよな」
「好きだからな」
 大谷選手がとだ、妖怪は笑って返した。
「だからな」
「それでなの」
「被ってるんだな」
「そうだ、じゃあまたな」
 妖怪はその恰好で意気揚々と茶臼山を出た、二人はその後姿を見送ったが。
 妖怪が見えなくなるとだ、舞奈は勇也に言った。
「いたからね」
「たこ焼き奢るな」
「ええ、それでストロングも買って」
「俺の家で飲むか」
「お家近所同士だしね」
「家にちゃんと両親いるからな」
「誤解される心配もないし」
 それでというのだ。
「飲みましょう」
「それじゃあな」
 こう話してだった。
 二人も茶臼山を後にした、そのうえで。
 勇也はたこ焼きを二人前買った、茶臼山の近くにある出店でそうした。
 そしてだ、勇也の家に入る前にディスカウントショップでストロングの五百を三本ずつ買ってそうしてだった。
 勇也の家で飲みはじめた、舞奈はたこ焼きを食べて言った。
「いや、まさか本当にね」
「茶臼山に妖怪がいるなんてな」
「思わなかったわよね」
「ああ」
 勇也はその通りだと答えた。
「まさかだったよ」
「そうよね」
「お陰でたこ焼き奢ることになったな」
「美味しいわよ」
「それは何よりだ、しかしな」
「しかし?」
「いや、妖怪って何処にもいるな」
 こうもだ、勇也は言った。
「本当にな」
「ええ、私はあそこにもいると思っていたけれどね」 
 舞奈は飲みながら笑って応えた。
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