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大阪の呼ぶ子
第二章

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「だからな」
「それでもいるでしょ」
「いないだろ」
「そうかしら」
「ああ、それなら神社とかお寺行くとな」
 大阪にも数多いそうした場所にというのだ。
「いるだろ」
「四天王寺とか住吉大社とか」
「清明神社とかな」
 そうした場所にというのだ。
「行くとな」
「いるのね」
「川とか堀とかにもな」
「大阪多いしね」
「何かいるだろ」
 こう言うのだった。
「それこそな」
「兎に角茶臼山にはいないのね」
「ああ、本当にな」
「若しかしたらって思うけれど」
「いたらたこ焼き奢るぞ」
「じゃあそれで飲む?」
 たこ焼きと聞いてだ、舞奈は話に乗った。
「ビールかストロング買って」
「ストロングにしような」
 その時はとだ、勇也も乗った。
「俺の家でな」
「飲んで食べるのね」
「カップ焼きそばもあるしな」 
 たこ焼き以外の食べものの話もした。
「だからな」
「それじゃあね」
「ああ、俺はいない方だ」
「じゃあ私がいる方よ」
 こんな話をしながらだ。
 二人は茶臼山の傍に来た、ここで勇也はまた言った。
「さて、着いたけれどな」
「茶臼山にね」
「果たしているか」
「とりあえず中入ってみる?」
「ああ、公園になっているしな」
「それじゃあね」
「行くぞ」
 こう話してだった。
 二人で公園に入った、勇也はこの時もいないと思っていたが。
 茶臼山の半ばまで来たところでだ、ばったりとだった。
 上半身は着物で下半身は木になっている子供がいた、子供は二人と会って言った。
「人間に見付かったか」
「って妖怪いたのか」
「こんな人間がいるか?」
 これが返事だった。
「下半身が木の幹の」
「いる筈ないよな」
「わしは呼ぶ子だ」
 自分から名乗ってきた。
「山にいる妖怪で山彦を出す」
「ヤッホーーーッて言ったら返すか」
「その妖怪だ、あと実は歩ける」
 呼ぶ子は軽く言った。
「自由にな」
「どうしてよ」 
 舞奈は妖怪の今の言葉にすぐに問うた。
「下半身木なのに」
「この木を二本の足に変えられるからな」
「だからなの」
「普通にな」
「歩けるのね」
「そうなのだ」
「それは知らなかったわ」
 舞奈は頷きつつ応えた。
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