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大阪の呼ぶ子
第一章

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               大阪の呼ぶ子
 大阪は平地が多い、だが一応坂もあれば山もある。それで八条学園高等部に通っている関口舞奈肩までの奇麗な黒髪に大きなジト目と微笑んだ口元に一五八位の背でかなりの巨乳を持つ彼女は交際相手でクラスメイトの伊吹勇也きりっとした顔立ちで太い眉を持ち長身で引き締まった体格に黒髪をオールバックにしている彼に言った。舞奈の制服は白いブラウスに赤いネクタイに紺色のブレザーそれに紺色にチェックのある短いスカートといったもので勇也は赤い短い詰襟である。
「大阪にも山あるからね」
「茶臼山か?」
「あそこね」
 その茶臼山に向かいつつ言うのだった。
「今から行くけれど」
「山っていってもな」
 どうかとだ、勇也は舞奈に返した。
「あまりというか全然な」
「高くないっていうのね」
「ああ、大阪はもうな」
 それこそというのだ。
「平地だろ」
「川やお堀が多くてね」
「地名にもなっていてな」
「そうだけどね」
 舞奈はそれでもと返した。
「あるにはあるわ、そしてね」
「そして?」
「山の妖怪もいるでしょ」
 茶臼山にというのだ。
「そうでしょ」
「うちの学校みたいにか」
 勇也は自分達が通っている八条学園が世界最大級の心霊そして妖怪スポットであることからこう返した。
「妖怪いるか」
「あの山にもね」
「聞いたことないけれどな」
「そう?」
「あの山に妖怪がいるなんてな」
 隣を歩く舞奈に返した、休日部活が終わってそれぞれの家に帰る途中に茶臼山に妖怪がいるという舞奈の言葉を受けて向かいつつの言葉だ。
「全くな」
「それはこれまで見付かっていないだけで」
「ひょっとしたらか」
「いるかも知れないでしょ」
「それで行くんだな」
「山とか川とかはね」 
 そうした場所はというのだ。
「妖怪がいる場所でしょ」
「それはな」
 優やも否定しなかった。
「よく言われるな」
「そうよね」
「ああ、何かとな」
「だから茶臼山にもよ」
「妖怪いるかも知れないんだな」
「何かとね」
「じゃあの山に山姥いるのかよ」
 勇也は舞奈にこの妖怪はと言った。
「家にいてな」
「ピンとこないわね」
 これが舞奈の返事だった。
「ちょっと」
「そうだよな」
「あの妖怪はね」
「じゃあ山爺とか山わろとか一本だたらとかどうだよ」
 勇也はこうした妖怪も挙げていった。
「わいらとかうわばみとかな」
「どれもないわね」
「そうだろ、大阪で山の妖怪なんてな」 
 それこそというのだ。
「どうもな」
「縁がないのね」
「大体殆ど平地だからな」
 大阪市はというのだ。
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