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星河の覇皇
第八十七部第四章 首相官邸にてその四十八

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「果たして」
「人間ならですね」
「どうでしょうか」
「それは確かに」
 金は小柳の言葉に考える顔になって答えた。
「誰もです」
「いませんね」
「どうしても」
 人間ならというのだ。
「色々考え」
「その中で、ですね」
「どうしても」
「それも人間です、ですが」
「それでもですか」
「その考えを実行に移すかどうか」
 それがとだ、小柳は述べた。
「それが問題です」
「そうなのですね」
「よからぬ考えはどうしても浮かべます、ですが浮かんでも」
「それを出さないといいですね」
「浮かぶものは多いです」
 小柳は海の底それも深海を頭の中で想像していた、海面まではそれこそ二万マイルはあるだろうか。
「ですが海面までは」
「浮かばなければいいですね」
「そうです、ですから内相も」
「よからぬ考えを思い浮かんでも」
「それを実行しなければよく打ち消して」
 その考えをというのだ。
「よりよい。正しい考えをです」
「出してですね」
「それを実行に移す様にすれば」
 その様にすればというのだ。
「いいかと」
「そうなのですね」
「はい、むしろ今日は」
 小柳はさらに述べた。
「内相にオフレコで」
「首相のことをですか」
「教えて頂き」 
 そうしてもらってというのだ。
「お礼を申し上げたいです」
「そうですか」
「はい」
 こう言うのだった。
「今後も注意します」
「私は謀略の類は不得手で」
 このことは八条と同じだ、金は政策の考案と実現そして事務処理能力により知られている政治家であり謀略はこれまで使ったことがないのだ。もっと言えば政争によって政敵を退けるタイプの政治家でもない。
「政策と結果で」
「ことを進める方ですね」
「そうしたいと思っていまして」
 それでというのだ。
「謀略はです」
「使われませんか」
「相手がいるなら」
 政策で対立する相手がいればというのだ。
「相手よりもです」
「よい政策を出すことですね」
「それが出来れば」
 それでというのだ。
「よいとです」
「お考えで」
「その様にしてきましたし」
「これからもですね」
「そうありたいと思っています、ただ首相は私がこう言うことも」
 小柳に対してというのだ。
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