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俺様勇者と武闘家日記
第3部
サマンオサ
ルークの決意
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、素手で戦うときよりうまくダメージを与えられたことが多かった。ボストロールとの戦闘のときも、普段よりも重い一撃を繰り出せていた気がする。
 何よりここで私が同意すれば、ユウリを説得出来るかもしれない。そう踏んでルークは私を引き合いに出したのだろう。
「……確かにそう言われれば、師匠の武器で戦ったときの方が戦いやすかったかも」
「だろ? だからもっと君には武器の扱い方を教えてあげたい。ちゃんと習得すれば、ミオは今よりも何倍もパワーアップできるはずだよ」
「……」
 ルークの力説に、ユウリは黙り込む。もう一押しと、さらにルークは言葉を続けた。
「そのためには、しばらく傍で指導してあげる存在が必要なんだ。僕がその指導役に就けば、間違いなく彼女を成長させることが出来る」
 そうきっぱりと断言するルークに、ユウリはしばらく閉口していた。心の中で葛藤しているのだろうか。私を強くさせられるルークを、仲間にするか否か。
 迷っているのは、おそらくルーク以外では、私に武器の扱い方の指導をする人がいないからだ。それは私もバハラタで身に沁みるほど理解している。
「そう言う話なら、オレもルークの意見に賛成だぜ」
 横から口を挟んできたのは、ナギだ。
「ボストロールを倒せたのも、ミオが武器を使えてたからってのは大きいと思うぜ。それに、オレたちじゃあ武闘家の武器のことはわからない。だったら専門家に教わるのが一番なんじゃないのか?」
「ナギ……」
「ふん。バカザルまでこいつに絆されでもしたのか? 町外れの魔物としか戦ってこなかった武闘家くずれの奴が、魔王を倒そうとするこいつに指導なんか出来るのか?」
 ユウリの言葉の端々に生まれる鋭いトゲが、ルークに次々と突き刺さる。この悪意の塊のような台詞を一番重く受け止めているのはルークのはずだが、彼は意外にも普段と変わらない態度でユウリを見据えていた。
「出来るよ。少なくともそう言う言葉でしか彼女と接することが出来ない君よりは」
「っ!?」
「今ので確信したよ。今のミオに必要なのは、僕のような指導者だ」
「貴様っ……!!」
「あと話を戻すけど、君たちはこれから僕の父さんに会いに行くんだろ? だったら赤の他人の君たちだけで行くより、身内の僕も一緒にいた方が会いやすいと思わない?」
「……っ」
 再び沈黙するユウリに、今度はシーラが口を出す。
「ユウリちゃん。その点については、るーたんの言うとおりだと思う。でもるーたん、るーたん自身はお父さんに会っても平気なの?」
 そう言ってルークを見上げるシーラ。その表情には、ルークとサイモンさんとの間に何らかの確執があるのではないかと言う憶測が込められているように見えた。
「……今までの僕なら、どうして僕や母さんを残していなくなったんだとか、父さんのせいで散々苦しめ
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