第九十話 最後の戦その七
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光の帳で術を防ぐ、まるで吸い込む様に。
「これはな」
「術は通じへんな」
施と羅が話した。
「しかも攻撃してもな」
「月の光みたいに消える」
「これは掴みどころがない」
「そのうえで術を放ってくるさかいな」
「厄介な神霊さんやな」
「実に戦いにくいわ」
「そやな、しかしや」
芥川が二人に話した。
「攻め方はある」
「知恵を出してくれるか」
「今回も」
「ああ、例え術を防がれてな」
完全にだった、月光の帳はあらゆる術を吸収している。
「そして攻撃が通じんでもな」
「攻め方があるか」
「そうなんやな」
「影を狙うんや」
月読命のそれをというのだ。
「そこをな」
「影か」
「それをか」
「見るんや、月読さんの身体は実はな」
自分達が見ているそれはというのだ。
「影や、そして影がな」
「身体か」
「入れ替わってるか」
「そやからな」
そうなっているからだというのだ。
「ここはな」
「影を狙うか」
「そうすればええか」
「そや、ただこの神霊さんは影と身体が入れ替わる」
そうなることも話した。
「そやからな」
「今入れ替わるとやな」
「身体を攻撃するんやな」
「一度攻撃してな」
芥川は三光手裏剣を放った、それが神霊の身体をすり抜けてブーメランの様に自分の下に戻ってきたのを右の人差し指と中指で受け止めつつ話した。
「あかんかったらな」
「もう一方を攻める」
「そうすればええか」
「身体は必ずある」
そうだというのだ。
「そやからな」
「影か身体か」
「どっちかを攻めてくんやな」
「そうしてくんや、こうしてな」
芥川は三光手裏剣を今度は月読命の影に向かって投げた、すると。
確かに感触があった、芥川はそれを見て微笑んで言った。
「戦ってこな」
「ほなな」
「自分等もそうするわ」
羅と施はそれならと応えた、そうしてだった。
十人は月読命を攻めだした、するとここで今度はシェリルが知恵を出した。
「月、即ち夜の神様やから属性はな」
「闇やな」
「それやな」
「そやからな」
メルヴィルとトウェインに話した。
「ここはな」
「全員光属性になって」
「それでやな」
「攻める、そしてこっちの術は通じへんけど」
月読命に向けるそれはというのだ。
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