第二章
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「天界から人界を行き来出来るな」
「そうした場所ですね」
「ああ、そしてな」
ユウマエルは鮭の刺身を山葵醤油で食べつつ話した。
「俺達天使はいつもそこから来てな」
「戻られていますか」
「そうだよ、そしてな」
ユウキエルはさらに話した。
「家もそこにあるからな」
「いつもお家に帰られていますか」
「そうなんだよ」
「まさか新横浜駅が天界に行き来出来る場所とは」
「言うならヘブンズゲートだな」
「意外でした」
「人間は行き来出来ないぜ」
川上にこのことも話した。
「天使だけだよ、ただ日本だとな」
この国ではというのだ。
「新幹線の駅がな」
「ヘブンズゲートですね」
「そうだよ」
まさにというのだ。
「実はな」
「そのことは知りませんでした」
「人間が知らないだけでな」
ユウキエルは川上に居酒屋のワインを飲みながら話した、グラスにボトルのそれを自分から注ぎ込みながら話す。
「世の中そうした場所があちこちにな」
「あるんですね」
「そうだよ」
「そうですか、ただ」
川上はここでアメリカ映画の不良にしか見えないユウキエルに問うた。
「お客様はあまり天使には」
「見えないか?」
「ロスにいる様なヘルスエンジェルスに」
そうした者達にというのだ。
「見えますが」
「これはファッションだよ」
ユウキエルは笑って答えた。
「天界は堅苦しくて決まった格好じゃないと駄目だけれどな」
「天使さんのですね」
「俺は前はロスのある場所が管轄でな」
「そのファッションですか」
「気に入ってな」
そしてというのだ。
「地上ではな」
「その恰好ですか」
「そうだよ、仕草や喋り方もな」
そうしたものもというのだ。
「こうしてな」
「ロスですか」
「日本語だけれどな、ただな」
「ただ?」
「日本食はな」
刺身を食べつつ言うのだった。
「ロスで食っていいって思ってな」
「今もですか」
「食ってるけれどな」
それでもというのだ。
「やっぱり本場のものがな」
「一番ですか」
「ああ、酒もな」
こちらもというのだ。
「今は白ワイン飲んでるけれど次はな」
「日本酒ですか」
「大吟醸な」
この酒をというのだ。
「もらうな」
「わかりました」
「暫くここにいるからな」
横浜駅とその周辺にというのだ。
「この店にもこうしてな」
「来てくれますね」
「そして飲んで食うからな」
「宜しくお願いします」
川上は笑顔で応えた、そしてだった。
共に飲んで食べた、それからだった。
ユウキエルは駅が閉まる時間になると新幹線で天界に戻った、天界に戻ると彼は一瞬で着替えたが。
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