第二章
[8]前話
「駄目だよ」
「そうよね」
「あれかな、女の人さえよければいい」
「いや、それだと駄目よね」
私もここで駄目出しをした。
「流石に」
「普通はそう思うよね」
「ええ、けれどそうした考えなのね」
「そうだよ、世の中お日様も必要だし」
彼は私にこうも言った。
「月だってね」
「必要よね」
「日本ではお日様の神様女の人だけれど」
「天照大神ね」
「月の神様は月詠命でね」
「男の人の神様ね」
「その両方がないと駄目だし」
お日様、太陽も月もというのだ。
「だからね」
「女の人の権利ばかり言ってもね」
「おかしいよ」
「そうね、そうした人の意見はね」
「女の人が一番偉いんじゃなくて」
所謂女性至上主義でなくというのだ、こう言うと何かナチスの人種主義に近いものにも思えるから怖い。
「男の人も女の人も同じ」
「同権よね」
「女の人が太陽でもね」
「月と同じね」
「そうだよ、そこを間違えたら駄目だよ」
「身体の仕組みからそれぞれできることと出来ないことがあるけど」
このことは仕方ない、女の人が子供産むことは。けれど女の人だけで子供を産むことが出来る筈がない。少なくとも人間は。
「それでもよね」
「同じだよ」
「本当にそうしたこと言う人はおかしいわね」
「そうだよ、あと女の人でも男の人でも」
性別に関係なくというのだ。
「おかしな人はおかしいよ」
「そうね、性別に関係なくね」
「そうだよ、本当におかしな人はおかしいよ」
私に話してくれた、そして実際にだった。
私は後で国会を見るとカミツキガメみたいに人にあれこれ言って自分には甘い人や前科のある人が女性にいることを確認した、そして思った。男女は同権で平等であるべきだと。女性至上主義が
どれだけ間違っているのかということを。
原始、女性は太陽だった 完
2024・8・28
[8]前話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ