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一パーセントからの結末
第一章

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                一パーセントからの結末
 ペナントが終わってだ、根室寿は妹の千佳に自宅のリビングで言った。
「日本一ベイスターズだったな」
「そうね、二十六年振りね」
 二人共感情も抑揚もない声で応えた。
「日本一は」
「あそこはな」
「まだ二十六年ね」
 千佳はここでこう言った。
「甘いわね」
「ああ、カープはな」
「最後の日本一一九八四年よ」 
 この時だというのだ。
「三連覇の時だってね」
「日本一になっていないな」
「そうよ、もうね」
「十二球団で一番長いな」
「日本一になっていない年月だとね」
「阪神も長かった」
 寿はしみじみとして言った。
「三十八年だ」
「確かに長いわね」
「しかしな」
 それがというのだ。
「見事にな」
「日本一になって」
「その記録は終わったんだ」
「二十一世紀三回シリーズに出たけれど」
「三回共な」
 その全てがというのだ。
「負けた」
「そうだったわね」
「どれもネタだったな」
「凄かったわね」
「特に二〇〇五年はな」
 この年のシリーズはというのだ。
「今も言われてるからな」
「三十三対四ね」
「ああ、本当に負けてな」 
 そうしてというのだ。
「僕も忘れられないよ」
「そうよね」
「しかしな」
 それでもとだ、寿はさらに言った。
「その屈辱の歴史も終わった」
「日本一になってね」
「嬉しいよ」
「そうよね、そしてカープはね」
 千佳はあらためて言った。
「今もよ」
「日本一になってないな」
「そもそもリーグ優勝もずっとなくて」
 兄妹で実際にプレミアム十二の試合を観つつ話した。
「クライマックスに出ることすらね」
「なかったな」
「ずっとね、そして」 
「三連覇してもな」
「日本ハムに負けてね」
 まずはというのだ。
「ソフトバンクにも負けたけれど」
「その間にな」
「クライマックスでね」
 リーグ優勝は果たしたがというのだ。
「負けたわよ」
「そのベイスターズにな」
「それで日本一はね」
「もう四十年か」
「なっていないわよ」
 そうだというのだ。
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