第58話
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。」
「あ…………」
「GIDの眼鏡のヒトですね。」
「主任分析官――――――でしたか。相当優秀な方とお見受けしました。ヴァン様の昔馴染みなのだとか?」
自分達の疑問に対して答えたヴァンの話を聞いたアニエスとフェリはそれぞれキンケイドを思い浮べ、キンケイドに対する推測の評価をしたリゼットはヴァンにある事実について確認した。
「ああ、”腐れ”がつく類のな。だがまあ本人は来てねえだろ。代理を寄越してるってところだろうし、その代理の方も”南”の総督府のお膝元で派手に動く事なんてできねぇだろうから、そっちにはあんまり期待できないと思った方がいいぜ。」
「ハン、もう一つのプロジェクトといい、胡散臭い思惑もありそうだが。とりあえず連中の撒いたエサでどんな魚が掛かるか確かめるとすっか。」
「……………………」
ヴァンとアーロンの話を聞いたアニエスは”出張”の話があった日の夜の寮の前でのキンケイドとの出来事を思い返した。
「それで、ホテルに戻すのは何時くらいになりそうなんだ?それから制服の方だが――――――」
「えっと、18:30ですね。それまでに戻るようにと先輩が。あとちゃんと私服は持ってきました。すぐに着替えちゃいますね!」
「あ、それじゃ案内します。」
「ふふ、会計もすませておきましょうか。」
その後、フェリ達の部屋でアニエスが手早く私服に着替え――――――改めて工学都市バーゼルの初日の裏解決業務を開始するのだった――――――
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