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金木犀の許嫁
第四十三話 百貨店その五

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「味が随分変わるのよ」
「よくなりますよね」
「そうなのよね、ただね」
「ただ?」
「いや、関西じゃ天かす入れたらハイカラうどんだけれど」
 そう呼ぶがというのだ。
「関東じゃたぬきうどん、たぬきそばってね」
「呼びますね」
「そうよね」
「こっちきつねそばってないですからね」
「たぬきうどんもね」
 どちらもというのだ。
「そうよね」
「薄揚げを入れたのきつねうどんで」
「たぬきそばなのよね」
「はい、ですから」 
 関西ではというのだ。
「きつねそばはなくて」
「たぬきうどんもないですね」
「本来ならね」
 夜空はさらに話した。
「ハイカラうどんがね」
「そう言われますね」
「たぬきうどん、たぬきそばってね」
 その様にというのだ。
「言われるけれど」
「それがですね」
「関西じゃそう呼ばれているから」
 天かすを入れたうどんやそばをハイカラと呼ぶからだ、尚愛媛の方ではつゆがあんおものをたぬきうどんと呼ぶ。
「八条学園でもね」
「おうどんのメニューそうなっていますね」
「関東の子がいても」
「ハイカラうどんをたぬきうどんって言いますね」
「最初はね」
「そうですよね」
「そこがね」
 何と言ってもというのだ。
「関西よね」
「そうですよね」
「もうね」
 そこはというのだ。
「それぞれの地域で」
「関西ですね」
「だから赤いきつねと緑のたぬきもね」
「きつねはおうどんで」
「たぬきはお蕎麦よ」
「そうなっていますね」
「ええ、それでね」
 さらに言うのだった。
「今夜はね」
「天丼になりますね」
「そうよ、それでその天丼はね」 
 それはというと。
「海老に烏賊、鱚にね」
「他のものも乗せた」
「豪勢なものにしましょう」
「わかりました」
 白華はにこりと笑って応えた、そうしてだった。
 三人で水着の店に入った、その店の中で三人でそれぞれ水着を探したがその中においてふとだった。
 白華は白い競泳水着を見てだ、真昼に言った。
「競泳水着は露出が少ないですから」
「着やすいの?」
「露出が多いと」
 水着を着てというのだ。
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