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金木犀の許嫁
第四十三話 百貨店その一

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                第四十三話  百貨店
 真昼と白華、それに夜空の三人でこの日は百貨店まで水着を買いに行った、三人共ラフな服装で百貨店に入ったが。
 中を三人で歩きつつだ、夜空はこんなことを言った。
「最後に地下二階行きたいけれど」
「そこで晩ご飯の食材買うのね」
「そうしたいけれど駄目?」
「断る筈ないでしょ」
 真昼は妹ににこりと笑って答えた。
「それじゃあね」
「水着買ってお昼は屋上で色々食べて」
「本屋さんも行ってね」
 そうしてというのだ。
「最後はね」
「地下二階でね」
「晩ご飯の食材買いましょう」
「百貨店って晩ご飯の食材も買えるからいいのよね」
 真昼は笑顔で話した。
「本当にね」
「それ完全に主婦の言葉ね」
「お家のお料理作ってるから」
 だからだというのだ。
「それでね」
「そうした考えになってるわね」
「私はね」
 夜空は自分から言った。
「そうなっているわね」
「そうよね」
「駄目かしら、高校生でそれは」
「駄目って誰が言うのよ」
 真昼は笑って返した。
「お料理のこと考えてね」
「何が悪いか」
「悪いことなんてないでしょ」
「法律でもないわね」
「そう、だからね」
 それでというのだ。
「別に気にすることもないわよ」
「そういうことね」
「むしろいいことですよ」
 白華が笑って言ってきた。
「お料理のことを考えることは」
「百貨店でも」
「はい、それだけです」
 まさにというのだ。
「お家のことを考えている」
「だからなのね」
「いいことですよ」
 こう夜空に言うのだった。
「むしろです」
「そうなのね」
「むしろです」
 白華はこうも言った。
「自分のことだけでお家のことを考えない」
「それならなのね」
「もうです」
 それこそというのだ。
「マイナスですよね」
「それはね」
 夜空も否定しなかった。
「自分だけ食べてお子さんにはなんて」
「育児放棄ですよね」
「虐待よね」
「そこまでいきますと」
「自分のお子さん虐待する人なんて」
 夜空は顔を曇らせて話した。
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