第九幕その九
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「その通りだよ」
「そうだよね」
「スクルージさんも温かくなる様に動いたからね」
「それでよくなったよ、そしてね」
それにというのです。
「今ここにいるんだ」
「その通りです、マーレイにはいつも感謝しています」
スクルージは魔法使いに答えました。
「私を助ける為に動いてくれて」
「見ていられなかったんだ」
そのマーレイの言葉です。
「お前さんをな」
「このままでは救われない」
「そうだからな」
それ故にというのです。
「わしもだよ」
「動いてくれたんだな」
「そうしてよかったよ」
マーレイも微笑んで言いました。
「実際に優しく温かくなって」
「そして救われて」
「今だってな」
バウンドケーキを食べるスクルージに言いました。
「オズの国にいるしな」
「こうしてな」
「本当によかったよ」
「それでこの国だけれど」
ドロシーはミルクティーのカップを片手に言いました。
「一つ気付いたのはね」
「何でしょうか」
「街並みは本当に十九世紀のイギリスね」
「ロンドンですね」
「私が聞いているね」
「そうですね、実際にです」
スクルージは笑顔で答えました。
「この街は私が外の世界で暮らしていた頃のロンドンです」
「そうよね」
「その部分ですね」
「そうよね」
「ただあの時のロンドン程はです」
そこまではというのです。
「大きくなくて」
「人も少ないわね」
「数千人位ですね」
「それ位ね」
「そしてその街で、です」
「貴方は主ね」
「市長をさせてもらっています」
ドロシーに笑顔で言いました。
「私ならとです」
「皆選んでくれたわね」
「はい」
まさにというのです。
「そうしてくれました」
「そうよね」
「この街は一つの国ですが」
「貴方は市長ね」
「そうなっています」
「あの、何か」
ナターシャは二人のお話をここまで聞いてドロシーに言いました。
「国によって国家元首が違いますね」
「スクルージさんは市長さんですが」
ジョージもドロシーに言います。
「ロビンソンさんは大統領で」
「ジムさんもそうでしたね」
神宝も言いました。
「あの人も」
「樵さんは皇帝ですし」
カルロスは樵を見て言いました。
「本当に違いますね」
「オズマ姫は王女ですし」
恵梨香はオズの国全体の国家元首である彼女のことを思い出しました、何しろオズの国の国家元首といえばこの娘なので。
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