第一章
[2]次話
糖尿病に気を付けて
その会社には社員用の冷蔵庫がありそれぞれの社員達が清掃等で日常的に出入りする他社の人達も含めて自分や取引先用のお菓子を入れている。
だが清掃で出入りしている他社、清掃業者の社員である山口智恵子太っていて丸顔で黒髪を短くした四十代後半の彼女のものはなかった。
明るく陽気で人懐っこい性格でよく喋る、話には食べものについてのものが多いが。
「山口さんのはないんだよな」
「冷蔵庫の中にね」
「よく食べもののお話をして」
「甘いものにも言うのに」
「何でかな」
「冷蔵庫の中にあの人のものないのよね」
「それぞれのものに名前があって」
社員達も出入りする人達も話した。
「誰のだってわかるのに」
「山口さんのはないけれど」
「何でかな」
「どうしてかな」
「実は甘いもの嫌いとか?」
「お話はするけれど」
山口について首を傾げさせて話した、そんな中で。
新入社員の新山蛍茶色の髪の毛をストレートのロングヘアにしていて一五二位の背で卵型の顔で大きなはっきりとした目で脚が奇麗な彼女がだ。
休日に美味しいと評判のケーキ屋に入るとだ、そこに山口がいた。
「あっ、山口さん」
「新山さん?」
山口は席に座っていてケーキと紅茶を楽しんでいた、自分のケーキを持って卓を探していた新山に言った。
「このお店来てたの」
「はい、美味しいと評判で」
新山はそれでと答えた。
「しかもバイキングなので」
「ケーキバイキングいいわよね」
「そうですよね」
お互いラフな私服姿で話した。
「本当に」
「それで今から食べるの?」
「はい」
新山は素直に答えた。
「そうです、席を探してます」
「前空いているわよ」
山口は笑って二人用テーブルの自分の前を見て言った。
「そこ座る?」
「相席していいですか?」
「よかったらね」
それならというのだった。
「どう?」
「お言葉に甘えて言いですか」
「遠慮は無用よ」
「それじゃあ」
こうしてだった。
新山は山口と相席となった、そのうえで世間話や職場の話もしながらケーキや飲みものを楽しんだが。
その中でだ、新山は山口に尋ねた。
「山口さんうちの会社の冷蔵庫にお菓子入れないですね」
「ああ、そのことね」
「あれどうしてなんですか?」
このことを問うのだった。
「一体」
「あれね、実はね」
「実は?」
「私甘いもの好きだけれど」
「よくお話もされてますし」
新山はそれでと応えた。
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