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Fate/WizarDragonknight
小鳥遊
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もさせてくれ。ひなもコウスケに懐いたみたいだし、どうだ?」
「……ちなみに、自宅ってどこ?」
「見滝原西の端にあるんだ」

 見滝原西の端。
 地区で見ればラビットハウスと同じであり、見滝原であるならばまだハルトたちは生存可能領域だろう。

___地図上の見滝原から、ほんの少しでも体が出た参加者は、無条件で失格。その場で死亡するというわけさ。自動的にね___

 脳裏に、聖杯戦争のルールがフラッシュバックする。

「……あのさ、俺魔法使いの制約として今見滝原から一歩でも足を踏み出したらいけないんだけど、見滝原西って、最寄り駅が見滝原西だから、じゃないよね……?」
「いや、住所が見滝原西だからだけど……そんな制約があるの?」

 石橋を叩きすぎたかと考えながら、ハルトは頷いた。

「まあ、霊脈地脈云々の関係上ね」
「結構大変なんだな……コウスケも?」
「あ、ああ……」
「お前もか……まあ、確かに端の方だけど、ちゃんと見滝原だから安心してくれ」

 その一言で、訪問中にハルトとコウスケが謎の変死体になる未来は避けられることが確定した。
 安堵するハルトとコウスケの前で、祐太は香子へ平謝りをしていた。

「ごめん二人にお礼したいから、今日は……」
「いいわ。私も二人にお礼言したいし、一緒に行きましょう」

 どうやら香子も同行するようだ。
 ハルトが頬をかいていると、隣のコウスケが肘打ちをしてきた。

「ハルト、お前あんな言い訳いつ考えたんだよ」
「このルール知ったの何か月前だと思ってるんだよ。言い訳の一つや二つ、考え付いてるよ」
「オレなんも考えてねえ」
「お前慎重で頭いいわりに対策考えないよね……」

 そうして、ハルトとコウスケは、祐太に連れられ、彼の自宅へ向かうこととなったのだ。



「前に貧しいって話は聞いていたけど……」

 見滝原西から数駅進み、降り立ったその場所。
 ラビットハウスからもさらに見滝原の端(デッドゾーン)に近づいたその場所に、祐太とひなの自宅はあった。

「いやこれ、普通に金持ちそうな家じゃねえか!」
「うるさい」

 叫ぶコウスケへ、ハルトはぴしゃりと手刀を放った。怯んだコウスケ(テント暮らし)を黙らせ、ハルトは改めて祐太とひなが住むリビングルームを見渡す。
 二階建ての巨大な自宅。大学生が住むような賃貸住宅ではない、ローンを組んで購入するべき物件へ平然と入っていった祐太の後ろ姿に、ハルトとコウスケの開いた口が塞がらなかった。
 そして、その表札には、祐太の苗字である瀬川の記載はなく、代わりに画数の非常に多い苗字、小鳥遊という苗字が刻まれていた。
 今ハルトたちが腰かけているこのソファーも、高年収の社会人が家族のために購入するよ
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