小鳥遊
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一般に浸透している魔法使い像とはちょっと違うかもしれないけど」
ハルトはそう言いながら、指輪を取り出す。
もはや体に沁みついた動きで、指輪を腰に当てた。
『コネクト プリーズ』
発動する魔法。
それは赤い魔法陣となり、ハルトと香子の前にそれぞれ出現。
「ほい」
ハルトが魔法陣に手を突っ込む。すると、湾曲した空間が、香子の目の前にハルトの手を運ぶ。
「きゃあああああ!?」
「うお!」
「わあああ!」
「っぶねえ!」
香子は驚く。
その声に、祐太も驚く。
そうして思わず手放しかけたひなを、コウスケが支える。
元々デイダラの爆風に煽られて喜んでいたひなが再び宙を浮きかけた。その事実に、この幼子はキャッキャとはしゃいでいる。
「っぶねえな祐太! お前ちゃんとホールドしとけよ!」
「ほ、本当にありがとう! 加賀さん、どうしたの?」
「え、ええ……」
香子はあいまいに返事を避けた。
彼女からすれば、目の前にハルトの手が浮かんでいるわけだ。驚愕も当然だろう。
ハルトが手を引っ込めたところで、香子は咳払いを下。
「何でもないわ……目にしたものは事実だから、信じないわけにはいかないわよね」
「おお、説明が一気に省かれた。……できれば、このことはあまり他の人に言わないでね。魔法使いを狙っている奴に襲われる可能性もあるから」
「分かっているわ」
香子の反応に、ハルトは安堵した。
「お願いね。瀬川さんには……コウスケに一任した方がいいかな」
「ん? 何か動きあったか?」
コウスケが首を傾けた。
いまだに祐太はひなを抱きしめており、こちらに気を向けていない。
「……あー、見られたことは仕方ないし、魔法使いのことは説明した」
「魔法使いだけか?」
「うん。聖杯戦争……フロストノヴァの方は、聞かなかったことにしてくれるって」
「ありがてえ」
「本当にありがとう、コウスケ」
ようやくひなを地面に下ろした祐太が、礼を述べた。
コウスケは照れ臭そうに鼻をこすりながら、「いやいや」と首を振った。
「何度も皆まで言うな。気にすんなって」
「いや、そうはいかない。……グズッ……お前は言ってしまえば、ひなの命の恩人だ」
祐太が鼻をこすりながら、何度も頭を下げている。
一方、地面に下ろされたひなは、祐太の手を引いてコウスケを指差している。
「おいたん! らいおんさん! らいおんさんおうちにくる?」
「ああ、そうだな。なあ、コウスケ。それに松菜さんも。一度礼をさせてくれ」
「え? それは……どうする? ハルト」
「こうなってしまった以上、無下にもできないでしょ……ちなみに瀬川さん、礼って?」
「俺の家で食事で
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