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星河の覇皇
第八十七部第四章 首相官邸にてその四十三

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「時に対立しても」
「それは常ではなく」
「基本的にですね」
「繁栄を目指すべきです」 
 協力し合ってというのだ。
「やはり」
「そうですね。ですが」
「韓国ではですね」
「そうした市民感情ではないです」
 二十世紀好感からそうであるというのだ。
「まことに」
「その市民感情がですね」
「民意なので」
「民意は良識によって成るものか」
 ここで小柳はこの言葉を出した。
「果たして」
「民主主義ではそれが理想ですね」
「そうですね。理想はです」
「市民は良識を持っていて」
「思慮分別を備えています」
 こう金に話した。
「そしてです」
「そのうえで、ですね」
「はい、冷静に情勢を見て」
「判断してです」
「今自国に相応しい政治家を支持します」
「そして投票します」
 金もこう言った。
「そうするものです」
「左様ですね」
「ですがこれは理想で」
「現実ではないですね」
「現実はどうか」
 これはというのだ。
「果たして」
「決してそうではないですね」
「民主主義は常に衆愚政治と隣り合わせです」
「煽動に乗ることもあります」
「デマコーヴァに操られることもありまし」
「古代ギリシアからのことです」
 事実アテネはデマコーヴァに煽られる様になってしまいその民主政を崩壊させてしまったと言われている。
「そしてナチスもです」
「民主政治から誕生しています」
 金も述べた。
「そうでした」
「歴史にありますね」
「民主政治は少し油断すると」
「そうした事態に陥りますね」
「どの国もこれまで何度も間違えてきて」
「今もですね」
「連合の歴史でも」
 自分達の国にしてもとだ、金は述べた。
「中央政府も各国も」
「一体これまでどれだけの過ちを犯したか」
「そう考えますと」
 まさにというのだ。
「理想はあくまで理想であり」
「現実は違いますね」
「市民は誰でも名君になれば暴君にもなります」
「そしてその市民が支持する政治家もまた」
「どうにもなります」
「政治家は人気商売ともいいます」
 小柳はこの言葉は冷徹な声で出した、そうしながら茶を飲む。そして飲み終えたのでもう一杯飲むのだった。
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