第百四十九話 文化祭の中のデートその十二
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「あれだね」
「アイルランドの人達はジャガイモを食べていたけれど」
「そのジャガイモが採れなくなって」
「食べるものがなくなって」
「物凄い数の人が餓死して」
「半分位が移民したんだよね」
「アメリカとかにね」
一華に深刻な顔で話した。
「それでアメリカにアイルランド系の人多いんだよね」
「うちの学校にもいるしね」
「アイルランド系アメリカ人の人達が」
「アメリカから来た人多くて」
「アイルランド系の人もね」
「そうなのよね」
一華もその通りだと答えた。
「これが」
「だから食べものがあってね」
「餓えないなら」
「それだけで幸せよね」
「このことはもうね」
それこそというのだ。
「健康と同じで幸せの基本だよ」
「食べものがあることは」
「実際アイルランドは地獄だったし」
ジャガイモ飢饉の時はだ。
「百万人位餓死して」
「皆骨と皮ばかりになったのよね」
「それでアメリカとかに移民して」
最早アイルランドにいては生きられないからだ、何と当時のアイルランドの人口の半分程が移住した。
「辿り着いた時に力尽きてとか」
「あったのよね」
「それで移住先で苦労して」
差別も受けた、新たに来た者の常であるだけでなく信仰や文化も違ってだ。アメリカでもそうであった。
「何とかね」
「生きていったのよね」
「ケネディ家だって」
アイルランド系アメリカ人の中でも有名なこの家もというのだ。
「最初はね」
「大変だったのよね」
「小さな家に暮らして」
そうしてというのだ。
「そこからね」
「苦労して大統領まで出して」
「そうだったからね」
「そう考えると」
「そう、本当にね」
それでというのだ。
「餓えないことはね」
「幸せの原点ね」
「そう思うよ」
「そうね、アイルランドって今でもね」
一華はそのアイルランド人の留学生から聞いたことを話した、それははじめて聞いた時は衝撃の事実だった。
「その時から人口回復していないのよね」
「半分になってからね」
「凄いわね」
「本当に食べるものがなくなって」
「大勢の人が餓死して」
「しかも移住していったからね」
その結果というのだ。
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