第百四十九話 文化祭の中のデートその八
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二人は蕎麦の後は柿を食べた、ここでまた一華は一個を四分の一に切られたそれを食べてまた言った。
「秋はね」
「柿だよね」
「何と言ってもね」
「一ちゃん柿好きなんだ」
「大好きなのよ」
こう答えたのだった。
「もうね」
「だから柿も食べたんだ」
「そうなの。秋になったら」
この季節になればというのだ。
「もうね」
「柿を食べるんだね」
「毎日食べてね」
そうしてもというのだ。
「いい位よ」
「そこまで好きなんだ」
「そうなの」
柿がというのだ。
「だから今も食べてね」
「よかったんだね」
「ええ、それでこれまで私の我儘聞いてもらったし」
「今度は俺の食べたいものをなんだ」
「一緒に食べましょう」
「さっき後は自由って言ったけれど」
「考えなおしたの」
「そうなんだ」
「その方がね」
まさにというのだ。
「いいでしょ」
「一ちゃんが我儘言ったから」
「最初にね」
「それでなんだ」
「次はね」
「俺が我儘言って」
「それでね」
そのうえでというのだ。
「一緒にね」
「食べるんだね」
「そうしましょう」
達川に笑顔で話した。
「ここはね」
「それじゃあね、ただね」
「ただ?」
「我儘ばかり言うのはよくないけれど」
一華は達川にこうも言った。
「一方が我儘言ったら」
「もう一方もだね」
「言ってね」
我儘、それをというのだ。
「お互いに聞き合う」
「それもいいんだね」
「そう思うわ、一方だけが我儘言ったら」
「付き合えないよね」
「絶対にね」
「そうよね、そりゃね」
一華はこうも言った。
「相手の我儘を聞いて適えるのがいい」
「そうした考えの人もいるね」
「世の中色々な人がいるから」
「何かお仕えしている感じの」
「そんな人もいるけれど」
それでもというのだ。
「大抵はね」
「お互い言っても」
「お互い受け入れる」
相手の我儘をというのだ。
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