第百四十九話 文化祭の中のデートその七
[8]前話 [2]次話
「けれどいいわね」
「いいよ」
達川の返事は一華が期待した通りだった。
「一ちゃんが一緒なら」
「そうなのね、それじゃあ」
「中に入ってね」
「お蕎麦も柿も食べましょう」
「そうしましょう」
こう話してだった。
二人で体育館の中に入った、中は確かに農業科の生徒は女子の方が多かった。だが達川は彼女達はただ目に入っただけで。
一華に顔を向けてだ、彼女に言ったのだった。
「まずはお蕎麦だね」
「ええ、それ食べましょう」
一華はにこりと笑って応えた。
「そうしましょう」
「それじゃあね」
「そう、そしてね」
そのうえでというのだ。
「お蕎麦食べたら」
「柿だね」
「その二つの後はね」
「もう何でもだね」
「食べたいと思うものをね」
「食べるね」
「そう考えてるわ」
こう達川に話した。
「今はね」
「うん、じゃあまずはね」
「お蕎麦食べましょう」
「俺も食べるよ」
「じゃあ一緒にね」
二人で笑顔で話した、そしてだった。
蕎麦のコーナーで蕎麦を食べた、椀に一杯のそれをつるりと食べてだ、一華は達川に笑顔で言った。
「美味しかったわ」
「そうだね、あっさりしていてね」
「コシもあってね」
「よかったね」
「噛んだけれど」
そうして食べたがというのだ。
「よかったわ」
「お蕎麦って噛んで食べるよね」
「そうよね」
「俺もそうしてるよ、けれどね」
それがというのだ。
「東京じゃね」
「噛まずに飲み込むのよね」
「そうなんだよね」
「それがね」
一華は食べ終えた状態で言った。
「私としてはね」
「消化に悪いからね」
「抵抗あるのよ、よく噛みなさいってね」
達川にもこのことを話した。
「お父さんお母さんに言われたし」
「俺も言われたよ、それ」
「食べるならね」
「ちゃんと噛まないと駄目だってね」
「それでお蕎麦も噛んでね」
そうしてというのだ。
「食べてるけれど」
「それがね」
「東京だと違うのよね」
「昔ながらの江戸っ子は」
それこそというのだ。
「そうして食べるね」
「けれどこっちじゃ噛むから」
「噛んで食べてよかったね」
「美味しかったわね」
「ちゃんとね」
こう話すのだった、そしてだった。
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ