九十一 似て非なるモノ
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を阻止するかのように、青年がナルとカルイの間にさりげなく身体を滑り込ませた。
穏やかな物腰だが決して寄せ付けないその佇まいに、先ほどまでの勢いはどこへやら、戸惑って立ち竦むカルイを見兼ねて、代わりにオモイがぶっきらぼうに詰め寄る。
「そこをどいてくれ。俺達はそいつに話がある」
「俺が話を聞くよ」
有無を言わさぬ微笑みだった。
オモイの威圧感を柳に風と受け流し、いやそれどころか、此方の方が逆に気圧されている。
その事実に尻込みしつつもオモイはわざと声を荒立て責め立てた。
「部外者のおまえには関係ないだろーが!それともなにか?『暁』に攫われた師匠の居場所でも教えてくれるってのか!?」
捲し立てながら、オモイは青年の胸倉を勢いで掴みかかろうとした。
が、その真っ直ぐな眼光の鋭さに射抜かれ、その手は空振りする。
何も掴めなかった拳を握りしめ、オモイはギリギリと歯噛みしながら青年を睨みつけた。
「その師匠というのは雲隠れの里の…」
「キラービー様だ」
「ちょっとカルイ…!」
口を滑らせたカルイを諫めたサムイは、青年の発言に息を呑む。
「あまりこういう表現は好きではないが『暁』は人柱力を必ず生け捕りにする」
「「「!?」」」
「それに八尾は『暁』から上手く逃げおおせたという話を聞いた。里に帰ってきていないということは、自ら死を装っている可能性もあると思うよ」
淡々と答える青年の発言はでまかせにしては嘘だと完全に否定はできない。
キラービーの性格から、カルイとサムイは視線を泳がせた。
「いやそれは…」
「あり得るわね…」
「キラービー様に限って…っ」と一瞬弁護したオモイも徐々に語気が弱くなってゆく。
「だ、だから言っただろ!」と気を取り直して、カルイはオモイを小突いた。
「あの人がそんな簡単にくたばる訳ねーんだ」
「そ、そうだ…キラービー様が生きてるならすぐに捜しに行こう!まずは『暁』のアジトを探索しまくって…」
すぐさま提案する部下ふたりを隊長らしく、冷静にサムイは諫める。
「それでどうする?逃げおおせた可能性があるとしてもキラービー様を一度は捕らえるような奴らに、私達だけで?それも幾つあるかわからない『暁』のアジトを虱潰しに?」
正論に口を噤んだオモイとカルイへ、サムイは畳みかける。
「まずは情報収集と分析!幸い、うちはサスケと『暁』の情報の閲覧許可を得たところよ。書き写すのに時間がかかるから、お前達にも手伝ってもらう。そちらのほうが先決よ」
その為にカルイとオモイを捜しに来たサムイは当初の目的を口にすると、部下を促す。
若干波風ナルに対して罪悪感を覚えていたカルイは、彼女のほうへチラッと視線を向けたが、青年と眼が合うと慌てて顔
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