暁 〜小説投稿サイト〜
魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
XV編
第229話:復活の序曲
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らって――――」

 そこで突然、部屋の中が俄かに騒がしくなった。何やら争うような音が聞こえてくる。何事かと奏達が扉を凝視していると、耳が良いエルザが突然顔を青褪めさせて飛び退きながら2人を扉から押し出す様に離れた。

「ま、マズイであります!? 早く、早く離れてッ!」
「えっ? えっ!?」
「チィッ!」

 エルザのただならぬ様子に困惑するヴァネッサに対し、奏は咄嗟にアームドギアを展開しそれを床に突き刺すと自分とヴァネッサ達をその影に押し込んだ。直後扉が弾け飛び、中から何者かが飛び出して何処かへと去っていった。

「けほっ、けほっ……な、何だ?」

 舞い上がり立ち込める砂埃に咽ながらアームドギアの影から顔を覗かせると、見覚えのあるドレス姿の人形が2体奏達から離れていくのが見えた。一瞬しか見えなかったが、人形の片方……ガリィと思しき人形の腕にはキャロルが抱きかかえられているのが見えた気がした。

 一体何が起こっているのかと理解する間もなく、部屋からは魔法使いがぞろぞろと現れて逃げていくガリィともう1体の人形・ミカを追いかけていく。砂埃に隠されてか奏達に気付く魔法使いは誰も居なかったのは幸いか。

 何人ものメイジがガリィ達を追いかけていった光景に思わずヴァネッサ達を顔を見合わせる奏だったが、部屋の中からはまだ争う音が聞こえてくる。それに気付いた奏がアームドギアを引き抜き吹き飛んだ扉の影から部屋の中を覗き込むと、そこではベルゼバブが1体でレイラとファラの2体を相手に戦っている光景と、その傍で床に倒れているミラアルクの姿を見つけた。

 奏に続き部屋の中を見たヴァネッサとエルザは、倒れて気を失っている様子のミラアルクに気付き慌てて彼女に駆け寄っていった。

「ミラアルクちゃんッ!?」
「ミラアルク、しっかりするでありますッ!」

 騒ぐヴァネッサ達の声にベルゼバブがチラリと扉の方を見ると、そこに奏の姿を認め思わず言葉を失った様子で固まった。

「ん? なっ!? あ、天羽 奏ッ! 貴様、何故外に…………ハッ! 貴様ら、我々を裏切るつもりかッ!」

 ここで漸くヴァネッサ達の裏切りに気付いたベルゼバブが、怒りに任せて空間を繋げてヴァネッサ達を串刺しにしようと剣を振るう。だがそれはベルゼバブと対峙しているレイラとファラにより防がれた。

「派手にやらせん」
「あなたの相手は、私達でしてよッ!」
「チィッ! 人形風情がッ!」

 コインを連続で飛ばしてくるレイラにその場に釘付けにされ、動けずにいる所で接近したレイラのソードブレイカーによる斬撃を受ける。ファントムであるベルゼバブはその程度で致命傷を受けたりはしないが、自分より劣る筈の人形に傷付けられた事は奴の自尊心が許さないのか激昂した様子で剣を振るい
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