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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
XV編
第229話:復活の序曲
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来に何かされたりすればそれこそ悔やんでも悔やみきれない。それならば、毒を食らわば皿までの覚悟でヴァネッサの提案に乗る事が最善のように思えた。
結局、今の奏に選択肢は多くは無く、この状況を打開する為には行動を起こさなければならない。それならば…………
「……分かった。だけど今のアタシはギアが無い。ギアが無けりゃ戦えないぞ?」
「安心して。ギアならここにあるわ」
そう言ってヴァネッサは、見張りの目を盗んで持ち出しておいた奏のガングニールのギアペンダントを差し出した。受け取った奏は暫し色々な角度からペンダントを眺め、それが間違いなく自分のギアペンダントである事を確認すると小さく息を吐きながらそれを首に掛けた。
「言っておくが、お前らの事を完全に信用してる訳じゃない。そこは分かってるな?」
「勿論よ。そう簡単に信用してもらえるとは思ってない。もしもって時は、どうぞご自由に後ろから切って頂戴」
そう言ってヴァネッサは無防備な背中を奏に見せる。首から下げたギアペンダントを指先で弄びながらその背を見た奏は、束の間目を瞑り気持ちを落ち着けると聖詠を口にしガングニールを纏った。
「Croitzal ronzell Gungnir zizzl」
奏がガングニールを纏うのを見て、ヴァネッサは部屋の外を警戒し見回りの魔法使いが来ない事を確認すると手招きして奏をミラアルクとベルゼバブの居る所へと連れて行った。
「おい、こっちに未来が居るのか?」
「生憎だけど、先ずはミラアルクちゃんを助けるのが先よ」
「何ぃ? おい、それじゃ話が違うぞ!」
「仕方ないでしょ! どの道あの子ともう一人連れてこられた子を助け出すには人手が必要でしょ? 足手纏いを守りながら逃げられる自信があるの?」
「チッ……」
先に自分達の目的を達しようとしているヴァネッサに思わず舌打ちせずにはいられない奏ではあったが、彼女の言う事も尤もであった。未来と序でにハンスも連れて逃げる為にはどうしても人手が必要だ。加えてどう頑張っても恐らく途中で見つかるだろう事を考えると、未来達を守りながら逃げる為には戦う為の戦力も必要になる。ミラアルクを助ければそれらが賄えるとあれば、そちらを優先しない訳にはいかなかった。
渋々ではあるがヴァネッサについて行くと、ある部屋の前でエルザが扉に耳を当てて中の様子を伺っているのが見えた。どうやらその部屋の中に誰かが居るらしい。奏とヴァネッサが息を潜めて足音をなるべく立てないように近付くと、音に敏感なエルザは2人の接近に気付きそちらを見て手招きした。
「ヴァネッサ、こっちであります」
「エルザちゃん、どう?」
「どうやら連中は目的を達した様であります」
「と言う事は……」
「ガンス。連中、S.O.N.G
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