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星河の覇皇
第八十七部第四章 首相官邸にてその四十一

[8]前話
「そもそも日本は連合の中の一国であり」
「連合としてはですね」
「各国政府は対することがあっても」
「それでもですね」
「同じ連合の中にあります、また中央政府が対する各国政府は」
「日本政府だけではないですね」
「その都度変わります」
 このことは千年の間続いていた、中央政府は常に各国政府の何処かと衝突し対立してきたのだ。これもまた連合の歴史である。
「それで日本とばかり対立しても」
「中央政府としては」
「問題があります、連合全体の国益を考え」
「そしてどの政府とも対立する」
「逆に言うと特定の国を相手にしない」
 連合の中のどの国もというのだ。
「それが中央政府であり」
「中央政府大統領ですね」
「韓国でもエウロパを敵視しています」 
 連合共通の敵であるから当然だ、ただしごく少数派であっても融和派や友好を唱える者も存在している。
「ですから」
「反エウロパ政策もですね」
「どの立候補者も掲げてきましたが」
 それでもというのだ。
「エウロパ以上にです」
「日本ですね」
「韓国だけはそうです」 
 連合の中でというのだ。
「エウロパ以上に敵視している国が存在し」
「政策にも堂々と掲げる」
「国是になっている国です」
 韓国はというのだ。
「小柳さんは日本人なので嫌なことでしょうが」
「私としては同じ連合なので」
 小柳は金に自分の意見を率直に述べた。
「ですから」
「特に対立することなくですね」
「共存共栄を目指し」 
 そしてというのだ。
「実現すべきであり」
「そしてですね」
「はい」
 金にさらに話した。
「多くの利益をです」
「得るべきですね」
「そして敵とすべきは」
 第一のそれはというと。
「言うまでもなくです」
「エウロパですね」
「連合の敵はです」
「ブラウベルグ登場以前から」
「あの国です」
 まだエウロパが国連から出ずEUとして超国家的な共同体であった頃からだというのだ。このEUの構成国即ち欧州の殆どの国が国連を出て独立したのがエウロパであるのだ。
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