暁 〜小説投稿サイト〜
DOG DAYS 記憶喪失の異世界人
第9章 有栖零治
[9/10]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初
ウォーレンは鞘から刀を抜く。

「ですが、その刀はまだ完全に目覚めていません。まだ眠ったままの様です」
「「………は?」」
「いえ、ですからまだ眠ったままだと………」
「先輩………?」
「何で俺を見るんだよ!?別に俺のせいじゃ無いっての!!」
「でも何でなんだ………?」
「ずっと使い手がいない内に力を失ってしまったのだと思います」
「………まあ貰い物なのに武器庫に放置されてた位だからな」
「だけど今は違います。今はその使い手がいますから………今は目覚めていなくても飯綱が答えてくれると思います」
「………」
「いや、信用しろよ零治………」

零治に冷たい目で見られ、たじろぐウォーレン。

「お願い、あれを止められるのはウォーレンあなただけ………お願い、みんなを止めて………」

悲しそうな目でウォーレンを見つめるアリシア。

「………任せろ、レオとの約束もあるし、こんな所で死ねないからな」
「約束………?先輩、シャイデがいるのに浮気ですか?」

零治が茶化すように言うがウォーレンは真面目な顔で零治を見つめた。

「先輩?」
「シャイデには悪いと思っているだが、俺はもう………」

「不味いです………」

ウォーレンが大事な話をしようとしたときアリシアが遮った。
2人はアリシアの視線の先、クリスタラーの方へ顔を向ける。

『マスター、あのクリスタラーの魔力が徐々に増大していってます。このままだと本当に手に負えなくなります………』
「はい。そのおしゃべりなデバイスさんの言うとおりです、早く何とかしなければ………」
『お、お喋り!?』
「まあ否定はしないが確かに不味い感じだな」
「そうだな、お喋りは否定しないが急がないとな」
『2人共!?』

ラグナルが叫んで意義を唱えるが誰もが無視をする。

『もういいです………』

すねたラグナルにクスクスと笑い始める3人。
緊迫感に包まれていた3人の雰囲気が少し柔らかくなった。

「それじゃあ行くか零治………」
「今度はいつもの逆ですね、俺が時間稼ぎで先輩が止めを刺すって形ですね」
「悪いがあの化け物を止めておいてくれ」
「任せてください、バルトマンにも勝ってるんですから。………早く準備しないと俺が倒しちゃいますよ?」
「それはそれで俺が楽で助かる」

そう言った後、互いに笑い合う2人。
そして柔らかい雰囲気は消え、再び真面目な顔になった。

「………また会えて嬉しかったです先輩」
「俺こそ………たくましく、強くなったな零治。頼むぞ、相棒………」

その言葉を聞いた零治は一瞬笑みをこぼして空へと向かった。

「ウォーレン………零治さんとはどんな関係なのですか?」
「………俺の息子になるはずだった一番の相棒かな
[8]前話 [1] [9] 最後 最初


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ