第9章 有栖零治
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さい零治さん。長々と話している暇も無いんです………先ずはあれを止めなくちゃなりません。あれはジュエルシードが間違った方向に力を発動させてしまった姿」
「間違った方向に発動?元々ジュエルシードは高エネルギー体なんだろ?」
零治がそう言うとクスクスと笑い始めるアリシア。
「なあアギト、もしかして俺ってバカにされてる………?」
『いや、多分違うと思うけど………』
「ごめんなさい、私の事よく知ってるなって思ったので。その知識もあなたの前世での記憶ですか?」
「!?お前………」
「だけど少し違います。確かに次元震を起こせるほどのエネルギーの結晶体ではありますが、私達には自我があるんです」
「自我が………?」
「それが願いを叶える宝石と勘違いさせる原因でもあるのです」
「願いを叶える………か。だが自我があるのならちゃんと願いを叶えることだって出来るんじゃないのか?」
ウォーレンにそう言われ、顔を横に振るアリシア。
「それは出来ないんです。私達に対して願う願いはいつも私達の思いとは関係無く歪めた結果を招いてしまう。それは私も同じで、私に願った願い、『アリシアを生き返らせて』そんな願いを歪めて叶えてしまいました」
「歪めて………その願いってまさか………!!」
「そう。アリシアの母親、プレシア・テスタロッサ本人です。彼女の願いは歪められ、『その命を対価として命を生き返らせる』結果となりました」
「そんな事が………」
「それが出来る力を持つのが私達ジュエルシードなのです」
そう説明を終えると、クリスタラーへ視線を向けるアリシア。
クリスタラーは力を試すように地上に向かって攻撃を繰り返し、その度に地面はえぐられていっている。
「早くジュエルシードを止めなくてはなりません。でなければこの世界を完全に破壊するまで破壊し続けるでしょう。『過去を変えたい』それは即ち今の世界の否定を意味します。そして更にあの狐が纏っていた邪気を吸って更に強大になってしまいましたから………」
「だけど、あんな高エネルギー体のアイツを倒す方法なんてあるのかよ?」
「………あります。その為にはウォーレンさんの飯綱が必要になります」
「この刀か………」
腰にかかっている刀を見てそう呟くウォーレン。
「だけどこの刀は魔を斬る刀だろ?そんな刀でアイツを破壊出来るのか?」
「その刀は魔を斬るだけではありません、その刀は封魔刀。魔となる邪念を封じてきた刀です。邪念を生み出す私は直ぐに分かりました。そこ刀は天敵だと………」
そう言って飯綱を見つめるアリシア。その目は少し悲しそうだった。
「それならアイツを………!!」
「ええ封印出来ます」
「後は先輩次第ですね」
「………プレッシャーかけるなアホ」
そう言いながらも
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