終わりからの始まり
母親
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しいですか?」
「じゃなくて! ベルダンディーと螢ちゃんって結婚したの!?」
「はい。結婚式もあげました」
螢一の腕を抱きしめて女神は微笑んだ。
恵は「幸せオーラ」を吹き零す二人に、呆れていいやら祝っていいやらと逡巡したが、やがて気を取り直すと。
「おめでとう、二人共」
「ありがとうございます、恵さん」
「不出来な兄ですが末永くよろしくおねがいします」
「不出来なんて、螢一さんほど素敵な男性を私は知りません」
はあ、ご馳走様です。とは声に出さずに。
「そっかぁ、ベルダンディーがお義姉さんになったのね」
「こちらこそよろしくおねがいします」
ベルダンディーは綺麗なお辞儀をした後、朝食を作りにキッチンへ向かった。
「んで、螢ちゃん」
「なんだよ」
「この事は桂馬さんと鷹乃さんに報告してあるの?」
「あ……」
螢一は固まった。
「やっぱりしてないんだ。昔っからそうなのよね、しっかりしているようで何処か抜けてる」
はあ、とため息をつく恵。
今更報告もしづらいだろうし。
「わかった、私が一肌脱いであげる。一個貸しだからね、ちゃんと返してよ」
「恐れ入ります」
「で、籍はちゃんと入れたんでしょ」
「え? せき?」
「なに、すっとぼけてるのよ! 入籍よ結婚したんでしょう!」
食い気味に怒鳴る恵。
「え、ああ、うん、入籍したよ」
と、場をごまかした。
いや、しかし……と螢一は頭の隅で考えていた。
恵は食事を済ませて帰っていった。
この日の夜半。
「みんなのティールーム」で寛ぐ三女神と螢一。
ベルダンディーは螢一の仕事用のツナギのほころびを直している。ウルドはだいぶ前に買い替えたフルHDのTVでブルーレイを鑑賞中だ。(正確にはISOファイルだが)「うーん、いいわね、ウルトラマンゼロのテーマ。どんなに味方側がピンチになっても、これが聞こえるだけで熱く燃えてきちゃうわ」等々、独り言を言っている。スクルドといえばごろりと横になって、少女漫画雑誌を読んでいた。螢一は何かを考え込んでいる。
「ねぇ、ウルド」
「なあに?」
ウルドは画面から視線を離さず、スクルドも雑誌を読みながら。
「ウルトラマンゼロってどうして上半身が青で下半身が赤なの?」
「メタ的に言えば他のウルトラマンと差別化するためね。設定的にはお父さんのウルトラセブンがレッド族、お母さんの宇宙科学技術庁の女性科学者がブルー族だからよ」
「そうなんだ」
「なあに? 特撮に興味出てきたの?」
「別に。聞いてみただけ」
「あ、そう」
先程からなにか悩んでいる様子の螢一に、ベルダンディーが心配そうにどうしたのですか、と聞く。
「いやさ、これは聞いてみるだけなんだけど、女神様って地上界の戸籍とかないよね」
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