終わりからの始まり
母親
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に八畳間に入る二人。
対面する三姉妹。
「私たちに相談とはなんですか?」
ベルダンディーの言葉にスクルドは、がばっと音がしそうな勢いで土下座した。
「私、仙太郎くんと一緒の学校に通いたいの。お姉さま、保護者になって! ウルドはお金とか支援をお願い!」
数瞬の空白の間があって。ベルダンディー。
「保護者になることは問題ありません。好きな人と少しでも長く居たい気持ちはわかります。ですが一級神への修行を怠ってはだめですよ」
「つまるところ、学校に通いながら修行が出来ればいいわけよね」
しばし考え込むウルド。
やがてなにか閃いたのか、おもむろに法術を唱え始めた。
──それは鎖、あるいは重き鎧、封じ込める枷。二級神管理限定ウルドの名において、炎の大精霊に申し上げる。いましめの腕輪よ、いまここに……あれ!──
キン!!
かん高い金属音、畳の上に腕輪が一本現れた。
「学校に通うとなればそれ相応のお金は必要ね、確かに。お金は出してあげる。交換条件としてあんたはこの腕輪を付けて登校しなさい」
「これって、何?」
「まずは着けてみなさい」
ちょっとデザインがやぼったいわね。などとスクルドは呟きながら腕輪を身に着けた。
途端に、ずしん、と心を縛られるような感覚があった。
「なに……?これ?」
「その状態で法術を使ってご覧なさい」
言われたのでまずは初歩の初歩、空間収納を使おうとしたのだが。
「使えない、どうなってるの?」
「当然よ、あんたの頼りない神力をさらに制限してるんだから」
「なんでこんなものを……」
「まあ、続きを聞きなさいって。それはね、着けたままにするだけで神力の制御と増幅の訓練になるものよ」
「えーっ!?」
ベルダンディーは胸の前で両手の平をあわせた。
「なるほど、これなら学校に通いながら修行ができますね」
流石は姉さんと微笑んで褒められ、ウルドは得意げに。
「ウルトラマンゼロのテクターギア・ゼロからヒントを貰ったのよ」
「……? ねえ、ウルトラマンゼロって誰?」
ウルドはスクルドの質問に喰って掛かりそうな勢いで。
「あんたね、知らないの!? ウルトラマンの時代を繋いだ偉大な勇者のことを! はじめて姿を現したのは「大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE」よ。邪悪なベリアルの猛威にピンチに陥ったウルトラ兄弟を助けるためにK76星から颯爽と駆けつけるの。その時のセリフが「俺はゼロ、ウルトラマンゼロ、セブンの息子だ!」って──」
「わかった、わかったから。ウルドが特撮大好きなのは」
少々辟易気味に遮ろうとするスクルドだが。
「大体ね、ゼロが生まれなかったら今の円谷があるかどうか……」
なおも続けようとするウルドに今度はベルダンディーからストップが入った。
「
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