終わりからの始まり
母親
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、ってのは二人になら問題ないわね。慌てることはないわ。今回が駄目でも次があるくらいの気持ちでエッチすること。ついでにいつ求められても大丈夫なように、身体のケアはしっかりしておくこと。最後にこれが最も厄介な部分なんだけど、「女性のエッチは心で、男のエッチは身体で感じちゃう」ってことかしら」
「心と身体ですか……」
理解が追いつかない様子。
「うーん、私も経験ないからあまり偉そうなことは言えないんだけどさ……男のエッチには「射精」とした明確なゴールがあるんだけど、女のエッチにはゴールって存在しないの。好きな人と身体も心も重ね合う。その上で得られる快感は至上のものらしいわよ」
神属の女性は処女が多い。男女比の差もあるが、最大の問題はこの大事な通過儀式にある。まあ、中には例外も存在するかもしれないが。
漫画や小説などで表現されている、女性がイクのというのは男性視点が多いのだ。
「齟齬があることは理解しました。ですがどうやって間を埋めるのですか」
ウルドはため息をついた。
「これが難しいところなんだけどさ。人それぞれで何十年も連れ添った夫婦でも誤解したままだったり、一、二回のエッチで溝が埋まるカップルも存在するわけ。──そうねぇ、私から助言してあげられることがあるとしたら、二人で正直な気持ちをよく話しあうことかな。言葉にして出さなければ伝わらないことって多いのよ。大丈夫、裁きの門をクリアした二人だもの自信を持ちなさい」
「わかりました。螢一さんとよく話しあってみます」
ベルダンディーは薄く微笑んだ。
ウルドはちょっと考えて。
「でもさ」
「まだ何か?」
「螢一ってばどうしてエッチまで求めて来ないのかしらね。手を握るとかキスぐらいはしてるんでしょう?」
「え、はい。──それは……私にもわかりません」
ベルダンディーは、ハッとしたような顔をした。
「もしかしたら螢一さんは女神の私を好きであって、女性としては見てくれていないとか」
ないわー。ウルドの眼がジト目になる。
「あいつはエロ本とかも持っているし、あの性格であんたを女性として見てないって考えづらいわよ」
魔界で口づけした後、飛び退いてたし。
ともかく、と一拍開けて。
「まあ、そのあたりもよく話し合ってみなさい」
これでベルダンディーの相談はおしまいである。
結界を解除して「スクルド研究所」にうつる二人。
スクルドは何をしていたか。驚くことに右手の人差指一本で逆立ちをしていたのである。重力が反転したかのごとく服も髪もまっすぐ天に伸びている。
ウルドは微笑みを零すと。
「自主練ってわけね、関心関心」
「あ、ウルド。お姉さま」
くるりと半回転し両足を畳の上につけて立つ。
「とにかく、立ち話もなんだし、入って、座って」
促されるまま
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