終わりからの始まり
母親
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のように光がそこから玄関前に降り注いだ。光の中を一人の美しい女性が降りてきた。
地面に足をつけると同時に、法術陣も光もきえる。
女性は優雅に一礼をすると、笑顔で。
「はじめまして、私はベルダンディーの母でアンザスと申します。天上界で女神集合体代表取締役を務めております」
鷹乃さんの第一印象は、なんて優雅できれいな女性だった。
なにか不穏な発言を聞いたのだが、とにかく挨拶を返す。
「こちらこそはじめまして。森里螢一の母の森里鷹乃です」
「まあ、あなたが。どうぞこれからもよろしくおねがいします」
「よろしくおねがいします」
女神と人の母親は握手を交わした。
「お互いなにか事情がありそうですが、ともかく中に入りましょうか」
アンザスの言葉に鷹乃は同意した。
玄関を開けて中にはいると、まずは鷹乃が。
「螢一! いるかい? 今着いたよ」
「ベルダンディー、お母さんですよ」
茶の間の障子が開いて二人が姿を見せた。
「いらっしゃい、お母さま。鷹乃さん」
「いらっしゃい、アンザスさん。鷹乃さん」
笑顔のベルダンディーに対して螢一は緊張している様子。
「あら、ベルダンディーと結婚したんですもの、「お義母さん」って呼んでくれていいのよ」
「その結婚について、あたしは話があるんだけどね」
「あ……はい」
固まる螢一であった。
「とにかく、奥へ上がって下さい」
ベルダンディーの案内で「みんなのティールーム」に場所を移した。
テーブルの上にはお茶菓子と人数分の湯呑。
螢一の対面に鷹乃さんがすわり、ベルダンディーの対面にアンザスが座った。
まずは、鷹乃さんから。
「さて、事情をたっぷり聞かせてもらおうか。桂馬くんと私に黙って結婚したこと、しかも報告もしなかった理由」
「えーと、それはその……」
間にアンザスが割って入った。
「二人は確かに天上界での婚姻を認められましたが、地上界ではまだ婚姻届を出しておりませんよ」
「え? 天上界?」
「ベルダンディーは私の娘、神属ですもの」
鷹乃さんは額に手をあてて。
「まって、頭が混乱してきた。天上界とか神属とかいったいなんなのよ」
「では、私からご説明しましょうか」
アンザスは螢一とベルダンディーの馴れ初めから魔界での「大魔界長失職騒動」につながる二人の結婚までの経緯を、簡潔にしかも要点は絞って丁寧に話をした。昨夜の螢一とは段違いで懇切丁寧なことこの上ない。
噛んで含んだ説明はよほど消化が良かったらしい。
鷹乃も理解したようだ。
「なるほど、ベルちゃんが天上界の女神様ね。前にこっちの来た時からなんとなーくそんな気はしてたけど」
「いえ、今は休職扱いになってまして」
「ベルちゃん、それはいいのよ。──で、螢一。なんで二週間も連絡し
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