終わりからの始まり
母親
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よし、今日の修行はおしまい」
の声とともにスクルドは畳の上に落ちた。
「もう、疲れたぁ……」
「一級神になるんでしょ、まだまだ、音を上げるのには早いわよ」
「わかってる、わかってるてば。それより、そっちの相談が終わったら、私からも二人に相談があるんだけどいいかな?」
え!? といった感じのベルダンディーとウルド。
「いいわよ、じゃあ、ベルダンディーからね……え、と。私の部屋にいきましょうか」
場所を「ウルドさまの城」と書かれたプレートの奥の四畳半に移して。右側には大きな薬品棚とその前に実験用機器。左側は壁一面たくさんの本が詰まった本棚。正面にはベッド。以外にもベッドは綺麗に整えられている。床にはカーペットが敷かれている。
「気かれたくない話ね」
ウルドは右手を天に掲げた。
「じゃあ、まずは索 敵 法 術」
法術の波が走破する。
「半径百メートル以内に敵意の反応はなし、と」
次は私がとベルダンディー。両腕を頭の上で交差させ、一気に外側に振り下ろす。
「音 響 結 界」
ベルダンディーを中心に光の粒子が広がって、部屋全体を包み込む。
これで部屋の中の音は結界に阻まれ外に漏れることはなくなった。同時に外からの音も部屋には伝わらないのだが、物理的に遮断されているわけではないし、万一何かあったとしても外にはスクルドがいるので大丈夫だろう。
結界に対して障壁という防御手段もあるのだが、二つの違いについては後に語ることとしよう。
ウルドは何処からか座布団を取り出すと、妹に勧め、自分も座布団の上にあぐらを掻いて座り込んだ。
ベルダンディーはきちんと正座である。
「それで、私に相談てなあに?」
「実は……」
ベルダンディーの頬がますます赤くなる。
次の言葉を口に出していいのか迷っている様子。頬が染まっている。
「あ、あの、私。その……えっと」
「なんなのよ、はっきり言いなさいよ」
急かすウルドに、なおも俯いて身体をもじもじとさせている。
「言ってくれなきゃ、わからないわよ、相談てなに?」
やがてベルダンディーは意を決したのか、俯いたまま。
「実は、結婚式でキスをしたときから、時折胸の奥がきゅんって甘く締まるんです。ごく偶にですが、腰の奥底が熱くなる感じがあったり……」
顔を上げてウルドを真っ直ぐに見つめると。
「なので、あの、私、こんな感覚初めてで……どうしたらいいのか判らなくて……」
「は……えっ?」
それはつまり「螢一に発情」しているわけで。
「あんたって男を知らないのよね。性的な意味で。ユグドラシルと直結してるんだから少しは調べればいいのに」
「え──? なにを調べるんですか?」
こ、この娘は、まったく。ボケとかじ
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