終わりからの始まり
覚醒
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こにいる。それは本当。でも、私の螢一さんに対する気持ちも嘘じゃない、本当のこと。私は……どうしたら。どうしよう、どうしたらいいの? このままでは私は天上界に連れ戻される。
「そこでひとつ、私から提案です。ベルダンディーさん、あなたは「女神の仕事」を休職なさい」
「え、いいのですか?」
「いいもなにも、これしかないでしょう。……本当はこんな回りくどいやりかたをしたくはなかったのですが、女神事務所という形をなしている以上、どうしても本人からの申請が必要なのです。それにあなた、ご自分のお母さまの役職をお忘れですか?」
クロノが口を挟む。
「女神集合体代表取締役ですよね」
あ、そうか。といった表情をする一同。
ベルダンディーは笑顔で。
「はい! では、一級神二種非限定女神ベルダンディー、お助け女神事務所に休職を申請しますっ!」
「お助け女神事務所代表取締役メイプル、申請を受理します」
一拍開けて、やれやれ、と言った感じで首筋に手を当てるメイプル。
「ですが事務所のエースが抜けるのはいささか寂しいものですね……と、スクルドさん」
「え!? わ、私?」
「あなたですよ、一級神になるつもりはありませんか?」
私が一級神? と今度はスクルドが混乱していた。
続けるメイプル。
「そうですねぇ、私の見立てではこのまま真面目に真剣に修行を続けたなら、五年後ぐらいには昇給試験を受けられるようになります」
スクルドはしばらく考え込んでいた。
やがて。
「わかった。やってみる。一級神になるわ」
「本気なのね」
声をかけてきたウルドを見上げて。
「だから、私に修行をつけて」
「おやまぁ、明日は槍でも降るんじゃないのかしら」
「真剣に言ってるんだからふざけないでよ」
ごめん、ごめん、とウルド。
「だけどどうして私なのよ」
「ペイオースやリンドはいつまでも地上界にいるわけいかないし、新婚のお姉さま二人の邪魔をするほど無粋じゃないわ。言ったでしょう「お姉さまと螢一がなにをどうしようと、もう口を挟まない」って。だから消去法でウルドしかいないのよ。お願いできるのは」
「消去法って、まいいわ。私は厳しいわよついてこられる?」
「望むところよ」
不敵に笑い合う二人。
ベルダンディーがその間に口を挟んだ。
「一級神になるということ、大きな力を得るということは、その力に値した義務と責任も負うことになります。あなたにはその覚悟がありますか?」
「正直に言ってしまうと「大きな力」だとか「義務」とか「覚悟」だとかまだ私にはわからないの。でもこれでだけははっきりしているの。「お姉さまのような素敵な一級神になる」これがずっと前からの私の目標だったの」
「ですが、一級神になってしまえば天上界での業務が待っています。仙太郎くんと
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