終わりからの始まり
覚醒
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らいで金髪のお団子頭で短いツインテール。「音の調律」プログラムで騒ぎを起こした、システム管理神、クロノである。彼女は管理神の制服を着ている。
もう一人は、螢一の初めて見る女神だった。
背の高さはベルダンディーとスクルドの中間ぐらいだ。漆黒の黒髪が真っ白い肌に印象的である。髪は眉毛のところで綺麗に切りそろえられ、紋章はよくわからない。癖のない真っ直ぐな髪は胸元まで伸びてこれも綺麗に切りそろえていた。衣装は白衣に赤袴、巫女のような衣装だが、要所要所に神属特有の文様が細い白金色で刻まれている。うりざね顔の端正な顔立ち。もっとも印象的なのはその眼だろう。黒目がちな黒曜石を思わせる蠱惑的な瞳がこちらを見ていた。
薄紅色の小さな唇から言葉が発せられた。
「一級神二種非限定、兼お助け女神事務所代表取締役、メイプル降臨」
メイプルの後ろに控えるクロノも挨拶をした。
「……あなたがどうして」
驚く女神たちを前にして、胸に手を当て優雅に一礼をすると。
「まずはベルダンディーさん、森里螢一さん。ご結婚おめでとうございます」
挨拶をされたことで、ベルダンディーは驚きの表情をやっと崩した。
「あ、はい。ありがとうございます」
続いて螢一も礼を述べる。
「ペイオースさんにリンドさん。ウルドさんにスクルドさんも息災なようでなによりです」
「お助け女神事務所代表取締役のあなたがどうして地上界にいらしたの?」
疑問を呈するペイオースに螢一が聞いた。
「え?彼女が降りてくるのって珍しいの?」
「そうですわね……今の状況を地上界の会社に例えるなら、大会社の社長、部長クラスの人が外回りの営業に直接出る──みたいなものですわ」
「は……あ」
言われても大学五年生で会社務めの経験のない彼は、いまいちピンと来なかった。
ともかく。とベルダンディーが質問する。
「なにか緊急事態でも起こったのですか?」
「うーん、そうよねぇ……螢一さんもいることですし、初歩の初歩から説明しましょうか。時間がかかりますがよろしいですか?」
クロノが余計な口を挟んだ。
「ほんとは地上界のお菓子が目的なんです。以前、ここに降りてきて帰る時に頂いた、お菓子の詰め合わせを食べたときから、メイプルさまはすっ!!」
メイプルの裏拳がクロノを吹き飛ばした。勢いでコンクリートの塀にクロノは激突し、塀は覆いかぶさるように崩れた。
(いまはコンクリートの塀なんて殆ど見かけないよね)
何事もなかったかのように崩れた塀の残骸から立ち上がるクロノ。流石はワルキューレ候補生である。
「もう……メイプルさまは相変わらずです」
「余計なことは言わないでよろしいですわ──場所を移しましょう」
他力本願寺の山門を指差した。
寺の境内に入る一同。
無残
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