終わりからの始まり
覚醒
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ら出来るって。あなたを信頼する私が信じられませんか?」
「お姉さまを信じる……」
スクルドは遠い目で遥か天空見ていた。
信じる……。
信じること。
お姉さまが信じてくれている。だったら。
やがて瞳に覚悟が灯る。
「ノーブル・スカーレット!!」
背中に可愛らしい天使が現れた。
「どうせやるしかないのでしょう?だったら、さっさとあれを片付けるわ!!」
「次元の穴」に右腕を伸ばし手の平を開く、左手は右手首に。
「螢一さん、カウントダウンをお願いします」
ベルダンディーに頷く螢一。
「3……2……1……ゼロ!!」
声とともにスクルドの中に膨大な神力の奔流が流れ込んだ。
ベルダンディーが神力の奔流を一点に絞り込む。
スクルドは激流に押し流されまいと必死で抵抗しながら、「正しい門の形に変形」することを願う。
変われ、変われ、変われ、変われ、変われ、変われ、変われ、変われ、かぁぁぁぁぁわぁぁぁぁぁれぇ──!!
スクルドはその時、自分の中でずれていた歯車がガッチリと噛み合うような「感覚」を味わった。
見事に「次元の穴」は魔界への門に戻り、消え去った。
賞賛と喜びの声をあげる女神たちと螢一。
「あんたにしてはよくやったわね」
と、ウルドに頭を撫でられるも、スクルドは呆然としていた。
「これが……本当の法術」
湧き上がる本当の神力。女神の力。
私ははじめから間違っていたの?
違う、違うわ。ばんぺいくんができた時、友だちができたみたいで嬉しかった。シーグルを組み上げる時、妹が出来るとワクワクした。私は回り道なんてしてない。無駄なんかじゃない。私の辿る道は、すべてが私の糧になる。
底意地悪そうにヒルドが覗き込む。
「あらあ、もっと誇っていいのよぅ。あなたは世界を救ったんだから」
「そうね、でも、女神なら当然の事だわ」
一点の曇りもない最高の笑顔。
「なーんだ、つまんない。マーちゃん帰るわよ」
さっさと転移するヒルドを「待って下さい」と呼んでマーラーも後に続いた。
事件も片付いたし天上界へのゲートも無事に再開通した。
「では、螢一くん、ベルダンディー。しばしのお別れだ」
「今度は休暇で訪れますわ」
握手を交わす螢一とリンド。ペイオースとベルダンディー。
!!
突然、ベルダンディーは夜空の一点を見上げた。
虹色の法術陣が浮かんでいた。直下に光の通路を描きながら。光は一同のすぐ前の路上を照らしている。
「天上界から誰か降りてきます」
「なんだか今日は慌ただしいわねぇ」
ジト目で呟くウルド。
「そんな、まさか。この波動は……」
驚くベルダンディーの呟きが終わらないうちに、二人の女神が地上に降り立った。
一人は背の高さがスクルドと同じぐ
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