終わりからの始まり
覚醒
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こともある。だからこそですわ。だからこそみんなは黙っていたのです。やがてあなたが大樹となって立派な花を咲かせるように」
そう、歪んで育てば取り返しのつかない事になりますわ。大天界長ティールと女神集合体代表取締役アンザスの娘であるがゆえに。
ペイオースは胸の内をつげることなく、小さな女神を優しく抱き続けた。
「えーと、暑苦しいから離してくれない?」
「あ、はい」
ペイオースが身体を離すとスクルドは髪をかきあげて。
ジト目がちに螢一を睨んだ。
「で、今、私に打ち明けたってことは、あれに関係することなんでしょ」
「次元の穴」を指差した。
「成功するか賭けみたいなものなんだけど、君の力が必要なんだ」
「私?」
螢一は頷いた。
「あの穴が修復しても元に戻らないのは。あの形が元の形として記憶されたからなんだと思う」
ベルダンディーはなんだか誇らしげだ。
虚を突かれたような、ウルド、ペイオース、リンド、そしてマーラー。
ヒルドはクスクスと含み笑い。
(ネタさえ判ってしまえば、誰がやっても同じなんだけどねぇ。この際だからスクルドちゃんを成長させようってことね)
小さい女神は少し混乱している。
「チョット待って、ちょっと待って、ちょーっとまって……えーと、あの歪んだ形が元の形になった、……のね?」
「だから今度は「修復」ではなく「正しい門の形に変形」させなくちゃいけないんだ」
「え……でも、私の神力じゃ、とてもそんなことは出来ないわよ」
「うん、スクルド一人じゃ出来ない。ここにいる女神全員が力をあわせないとね」
原因さえ判明すれば、「正しい門の形に変形」にするだけならば、一級神一人でも出来る。
彼の言葉に意を唱えようとしたリンドは、ベルダンディーが唇に人差し指をあてていることに気がついて、思いとどまった。
ウルドが言ったではないか。「いつまでも足踏みをさせてはいられない」と。
なるほど、そうか。
螢一は続ける。
「ウルドとリンドとペイオースが君に神力を注ぎ込む、その上でベルダンディーが神力の流れを制御するんだ。これはスクルドに最も近しいベルダンディーにしか出来ないことだと思う。問題は──」
「私なら大丈夫ですよ。地上界に出ると同時にユグドラシルへのリンクも復活しましたから」
ベルダンディーはこんな風にと「戦衣」に着替えて見せた。
魔界で消耗した神力も地上界に出ることで元に戻ったようだ。
「後は、あなたしだいですよ」
後はスクルドが法術を使うのだが。
小さい女神は叫んでしまった。
「できない、出来ない、出来っこないわよ!!」
「あんたねぇ、そんなんだからいつまでたっても……!!」
ベルダンディーは喰って掛かりそうな姉を片手で制すると。
「私は信じていますよ。あなたな
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