終わりからの始まり
覚醒
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大魔界長の失職騒動」はあくまでもハガルたちの独断専行だったのだ。
「あ……」
螢一は突然声をあげたベルダンディーに。
「どうしたの?」
「私、思い出しました。幼い頃、お父さまが同じ事をおっしゃてました。当時は「おとぎ話」としか捉えていませんでしたが」
ユグドラシルのメモリーではなく自分の記憶にあったと。
ユグドラシルは女神たちの管理をしているが、あくまで表層の一部であって女神個々の記憶や感情までは管理していない。
「ベルダンディーが言うなら」
「お姉さまの言葉なら」
「間違いありませんわね」
続けて頷くウルド。どうやら女神たちの認識は共通のものになったようだ。
「なーんか、腑に落ちないわねぇ」ヒルドは苦笑する。
それにしても、とウルドは考えた。
「質量反応が無い。物理的な手段でシャットアウトすることが出来ない。電子機器も破壊、人間程度なら包まれただけで瞬時に絶命。えぇ……と、あっ!ガタノゾーアだわ」
「いきなりなんですの?」
ペイオースの質問に。
「怪獣よ、怪獣。ウルトラマンティガのラスボス怪獣。それがね、「シャドウミスト」って闇を吐くのよ。「シャドウミスト」の特徴そのままだわ。でね、世界が闇に覆われちゃってティガは……」
特撮オタクのウルドであった。
あぁーはいはい。
「その続きはあれが片付いたらたっぷり聞きますわ」
閉じなくなった魔界への門=今は空間に空いた「次元の穴」を指差した。
マーラーが「私たちも手を貸したほうが」と進言するも。
「だめよ。これは女神の、神属の落ち度。大昔に契約を結んだのよ。これもその契約の内」
死んだ魚のような目でヒルドは答えた。次に笑顔になって。
「心配ないわよ、螢一くんがいるんだもの」
「は……あ。そのようなものなのですか?」
「そ・う・よ」
の後ろで、ものすごく落ち込んでいるリンドである。
「私がもっとちゃんと「修復法術」を使えていたら」
「リンドがいたからこそ私たちは無事に地上界に戻れたんです」
と、ベルダンディー。
「ですから自分を攻める必要なんてありません。今はあの門を閉じることを優先しましょう。──ヒルド」
「なぁに、ベルちゃん」
「終末の闇が発生するまでの正確な時間を教えて下さい」
「えーっ、ヒルドちゃんわかんなーい」
とおどけてみせるも、ベルダンディーの瞳をみて。
「冗談よ、あと十分ね」
怒らせた時の迫力は魔界で味わっているはずなのに、懲りないというのか、むしろヒルドは面白がってる?
時間は十分にある。
リンドの戦斧が舞い。
「とにかく壊して、壊して」
ペイオースが法術を掛ける。
「復元するだけですわ!!」
しかしは何度やっても魔界への門だったもの=「次元の穴」は歪んだ形で再生されてしまう。
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